瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

『「超」怖い話』(10)

ケイブンシャブックス K-53『「超」怖い話』(2)
 昨日の続き。
 カバー表紙折返しは白地で右側(0.7cm)に表紙絵が入り込む。右上に寄せて古印体縦組みの紹介文があって以下のように14話を挙げている(改行位置「|」)。

都会の怪奇ミステリー !! 黒い人と白い人・水子供養で運|をつかんだ男・朝五時の訪問者・おたくの霊・開かずの|離れの人形奇談・ラブホテルの怪異・顔だけは見たくな|い!・送られてきた巻き物・マリア様のミイラ・指輪を|捨てて……・減らない修正液・宝船・金縛り人生・カラ|スを呼ぶ少年/など 多数の恐怖夜話をリアルに再現 !!


 右下に明朝体横組みでごく小さく

カバーデザイン=原田力男
カバー・本文イラスト
       =熊倉 宏

とある。
 カバー裏表紙折返しは白地で、上部に横組み「ケイブンシャ ブックス|大好評絶賛発売中|」レーベル名はカバー表紙最下部中央にあったものと同じ、2行めは緑色の横線(4.5cm)2本の間(0.7cm)で、その下に以下の6点「江本孟紀プロ野球大反省・大予想/柏 秀樹/バイク海外ラリー大百科/ポール・ジョンソン/著 中山幸男/訳/危ないNYをひとり歩きできる本/上之二郎/NYアンダーカバーコップ/末冨鞆音/ラグビー大百科/エトワール舟黎/前世カルマの神秘 ドラゴン占星術」以下余白。
 本文だが脱落があるかも知れない。と云うのは、扉には、小口から 3.3cm のところに天から太線(幅 0.1cm 強)を 10.4cm、その下部の右側に明朝体で「安藤薫平 編著」左側にゴシック体で「「超」怖い話」 とあり、その下、最下部にカバー背表紙の最上部にあったコアラがパイプを持ったロゴマークがあって(窓の背景は塗り潰さない。なお曲線にそってごく小さく「KEIBUNSHA」とあるのはカバー背表紙も同じ)その下にマークの3倍くらいの幅で「KEIBUNSHA BOOKS」と添える。その前には遊紙らしき表裏白紙の2頁があるのだが、カバー表紙折返しに挟み込まれた1葉との間が断裂していてテープで補修してあって、かつ図書館蔵書の常として、カバー折返しはブックコートフィルムで固定されているので、扉の前の本文共紙の2枚が本来の見返しだったのかどうか、確証が持てないのである。何となれば扉の裏から小口側下部に頁付があるのだが、それが「6」から始まっているのである。――残存している2枚が4頁までの勘定になるのか、それとも破損箇所に落丁があるのか、そもそもケイブンシャブックスの頁付はどうなっているのか、確かめないといけないかも知れない。
 6~7頁は「まえがき」である。冒頭を抜いて置こう。6頁2~8行め、

 世の中には酔っぱらうと怪談話をはじめるバカがいる。
 それは私だ!
 ちょっとばかし怖い目にあってきてるから、私はどんどん偉そうに話すぞ。
 どれも実話の重みがあるから昔はみんな感心して聞いてくれた。うむ思えばいい時代だった。
 ところが、ここ数年異変が起きている。
 神秘体験・霊体験した奴らがめったやたらと増えてきておる。
 はっきりいって、昔はこんなにいなかったぞ!


 しかし本書刊行時に安藤氏は満28歳になったばかりだったので「昔」と云ってもそれほど昔とは思えないのだが、この続き(9~13行め)が昨日引いたカバー裏表紙の「●編著者の言葉」の最初の3段落である。カバー裏表紙の2行が丁度本文の1行に当たる。異同は12行め末の「それがまた面白い。」を「●編著者の言葉」では行数を増やさないよう省いていることである。14行め~7頁6行めは「●編著者の言葉」に採られていない。

 あー、早くこれを世の中に出して、スッキリしなければ頭の中が沼袋になってしまう……。【6】
 そんな悩みを抱えては日夜街をさ迷っていたところ、いましたね、同じ悩みを持った人たちが。
 本書の共同執筆者、樋口明雄氏に加藤一氏、そして特別に二篇寄稿してくれた蜂巣敦氏(「月/光文化」編集部)といったファンキーな面々だ。
「うむうむそれでは怖くて奇妙で面白くて、読んだだけで自分の立っている足元がぐらつき、風/景が今までとは違ったものに見えてしまう、そんな本を一発つくりますか」
 てな具合に相談はまとまり、あっという間に本書は誕生してしまう。


 以下7~13行めは「●編著者の言葉」に、8行め末にぶら下げで入っている「若干、」の読点を省いた他はそのまま入っている。
 そして1行分空けて14行め、3字下げで「一九九一年四月十五日」下寄せで「安藤 薫平 」とある。
 続く目次や本文については勁文社文庫21版と比較しつつ確認することとしたい。いや「まえがき」も、若干ではあるが改まった調子に改稿されている。次回はそのことについても触れて置きたいと思っている。(以下続稿)