一昨日まで、竹書房文庫から出た、勁文社版『「超」怖い話』の初代編著者安藤君平(1963.5.30生)と2代目樋口明雄(1960.1.30生)の復刊選集の細目について確認した。昨日は、疲労困憊して、と云う程ではないが、不十分なままとにかく投稿だけはしてしまった細目の、内容を確認して追加して行く作業に手間取って続きに取り掛かる余裕がなく、10日前に家に迷い込んで来たコオロギについて書いて置きたいと思っていたのを果たすこととした。今日も、暗くなってから鳴きだした。しかし戸外にコオロギの声は全くしない。家のコオロギの声も少し弱ってきたような気がするが、新しい胡瓜の切れ端を足して、今度の台風も屋内で乗り切ってもらいたいと思っておるのである。いや、鳴き始めた頃は弱々しかったが、今は盛んに鳴いている。
それはともかく、ここで、勁文社版について確認して置くこととしよう。
・ケイブンシャブックス K-53『「超」怖い話』1991年6月1日 第1刷・定価757円・勁文社・217頁
書影は「「超」怖い話公式ホームページ」の「「超」怖い話 資料集」にて閲覧出来る。
現在、古本買取通販「もったいない本舗」に「ケイブンシャブックス最新刊」の帯の掛かったものが出ているが、状態「可」で税込5042円である。
帯の掛かっていない書影はHN「昨晩」のブログ「言葉ノート」2010年07月18日「大迫純一」に、
1990年~91年にかけて出た
木原浩勝・中山市朗「新・耳・袋」(扶桑社)
安藤薫平「「超」怖い話」(ケイブンシャ)
大迫純一「あやかし通信」
この3冊が今でもボクの実話怪談本のベストスリーだ。
として、他の2冊(帯あり)とともに挙がっている。
『新耳袋』には何度か言及し『新耳袋大逆転』(文庫版は『新耳袋殴り込み』第二夜)について検討した際に何冊か目を通し、私の知っている場所や話が取り上げられていたので遠からず取り上げるつもりだったのだけれどもそのままになっている。
『あやかし通信』は2013年10月12日付「鬼島さん(2)」に取り上げた「きじまさんの話のこと」に触れるために単行本と文庫版の両方を借りて、一読した。いや、2013年10月5日付「大迫純一『あやかし通信』(1)」にて既に上記「言葉ノート」の「大迫純一」に言及していた。
それはともかくとして、カバー表紙には、西新宿の高層ビル群の間に出た赤く巨大な月に突き刺さるような東京都庁舎が描かれるが、Wikipedia「東京都庁舎」項には「1988年4月着工、1990年12月に完成。翌1991年3月9日に落成式が執り行われ、4月1日より丸の内の旧庁舎から業務を移転した。‥‥」とあるから、出来たてのところを早速使用したことになる。文字は右上に大きくゴシック体白抜きで「「超」」極細い鉤括弧で囲い、その下、右側に縦長の明朝体白抜きで「怖い話」とあるが斜めに「/」黒い斜線が入っていてその右側が下に(0.1cmほど)ズレている。「超」の下、左側に水色のゴシック体で「安藤薫平編著」と添える。最下部中央にごく小さく「ケイブンシャブックス」と白く抜く。「ケ」と「ブ」がやや大きい。
カバー背表紙は白地で、最上部、下が平らで上が半円形の窓からコアラが顔を見せるが煙の上がるパイプを手にしている。窓の内側の背景の緑色のみ色刷りで他は白黒、コアラも白。少し離してゴシック体で「「超」怖い話」と標題、歌舞に「安藤薫平編著 K-53/P780/勁文社」下の3行は小さく横並び。
カバー裏表紙も白地で、小口から 2.1cm のところで緑色の縦線(幅 0.2cm)で仕切って、その右側には小口側を上に横転した「KEIBUNSHA BOOKS」が大きく入り、左側は上部から中央やや下まで、ゴシック体横組み、1行めは紫色で「●編著者の言葉――――「まえがき」より」とあって、2行め以下は黒で「まえがき」を適宜纏めている。
昔の怪談っていえば、人づてに聞いたどっか/遠くの街での出来事で、いかにも誰かがこさえ/たような眉つばもんの話がほとんどだった……。
ところが最近のヤングときた日にゃあ、しっ/かり自分で体験したオリジナルの怖い話をビュ/ンビュン出してくるじゃないの。
おかげでこっちはすっかり聞き役にまわって、/もう頭の中は怖い話のストックだらけ。
言っときますけど、この本に出てくる話はす/べて実話です。
執筆者が自分で体験した話と、体験者に直接/会って聞いた話がそのほとんどで、中には若干/間にひとり中継者が入った話もあるけど、それ/とてニュース・ソースが明らかなものばかり。
世の中世紀末。ここに集まったのは、通常の/人間の五感では決してかい間見れないような、/そんな異世界の風景をたまたま覗いてしまった/人たちの奇妙な物語。どっかで聞いたような話/は極力排除した。あえて説明はつけません(ど/うせわからないし……)。どう受け取るかは、す/べてあなた次第。さあ、一緒にあちらの世界を/覗きましょ。
どのように纏めたかは次回「まえがき」と対照させつつ確認することとするが、恐らくこれが当時の若者のノリで、――安藤氏28歳、樋口氏31歳、加藤一(1967.8.5生)は23歳、蜂巣氏も安藤氏と同学年で4人とも1960年代の生れである。私も上京2年めの大学1年生だった。但し、既にバブル崩壊していて、訳もなく騒ぐのが嫌いな性分でもあったのでバブルらしい雰囲気にも殆ど接することなく過ごしていたので、この「まえがき」のノリは、分かるような、分からないような、そんな気分なのである。ここに1960年代生と1970年代生の断絶があるのかも知れない。まぁそうでなくても私が色々世間と断絶しているだけなのかも知れないが。
カバー裏表紙に戻って、最下部に左寄せでゴシック体とOCR-Bで「定価780円(本体757円)/ISBN4-7669-1424-4 C0293 P780E」とある。(以下続稿)