昨日の続きで①『昭和・平成傑作選』と②『昭和・平成・令和 長編集』の細目と222~223頁「出典・初出一覧」を合わせて確認して置こう。
①②とも222頁1行めには「本書に掲載した作品は、リイド社より刊行された、次の書籍に掲載されたものを改訂・改題したものです。」とあり、223頁の最後の行に「社会状況の変化に伴い*1現在では不適切な表現もありますが、作品制作時の時代背景を尊重し、オリジナルのまま掲載しています、」とある。――「不適切な表現」は「オリジナルのまま」だけれども「改訂」したと云うのは、何処を改めたのだろう。
以下、まづ①『昭和・平成傑作選』について、章ごとに仮に【1】の如く番号を打ち、収録位置(頁・行)を添えた。初出刊年は全角で入っているのを半角にした。
・7頁(頁付なし)扉「第一章 怖い記憶」全面に薄く写真、カバー裏表紙「2」に近い。
【1】おじさんと見た白尾(8~10頁)
『新 稲川淳二のすご~く恐い話』2003
【2】虫の知らせ(11~13頁)
『新 稲川淳二のすご~く恐い話』2003
【3】長田君の話(14~18頁)
(原題:引っ越したNくん)
『新 稲川淳二のすご~く恐い話 身代わり人形』2004
【4】弁天岩の死体(19~25頁)
(原題:伊豆の心中死体)
『稲川淳二のすご~く恐い話Ⅴ』2002
【5】ばかばかしい話(26~28頁)
ユニJオフィース 2006
【6】真夜中のエレベーター(29~31頁)
(原題:深夜に止まるエレベーター)
『新 稲川淳二のすご~く恐い話』2003
【7】三月の工房(32~38頁)
(原題:茨城の工房に来た男)
『新 稲川淳二のすご~く恐い話 異人館に棲む少女』2007
【8】宿坊(39~44頁)
(原題:奥多摩の宿坊にて)
『新 稲川淳二のすご~く恐い話 異人館に棲む少女』2007
【9】宝物殿(45~50頁)
『真説 稲川淳二のすご~く恐い話 閉ざされたブラインド』2012
【10】首吊りの因縁(51~52頁)
(原題:首吊り)
『新 稲川淳二のすご~く恐い話 身代わり人形』2004
・53頁(頁付なし)扉「第二章 怖い噂」全面に薄く写真、カバー裏表紙「9」に同じ。
【1】リヤカー(54~57頁)
(原題:トンネルで死者の霊と会った)
『稲川淳二のすご~く恐い話』1995
【2】血を吐く面(58~64頁)
『稲川淳二のすご~く恐い話』1995
【3】迎えにきたマネージャー(65~69頁)
『新 稲川淳二のすご~く恐い話 真夜中の訪問者』2006
【4】ロケバス(70~72頁)
『真説 稲川淳二のすご~く恐い話 真下の怨霊』2011
【5】憑いてるタクシー(73~75頁)
『真説 稲川淳二のすご~く恐い話 閉ざされたブラインド』2012
【6】銀星号(76~77頁)
(原題:星降る夜の銀星号)
『稲川淳二のすご~く恐い話Ⅱ』1995
【7】スーパーの調理場(78~83頁)
『新 稲川淳二のすご~く恐い話 真夜中の訪問者』2006
【8】クラス会(84~88頁)
(原題:故郷のクラス会)
『稲川淳二のすご~く恐い話Ⅴ』2002
【9】探しもの(89~92頁)
ユニJオフィース 2006
【10】長い死体(93~100頁)
(原題:サーファーの死、そして)
『稲川淳二のすご~く恐い話Ⅱ』1995
・101頁(頁付なし)扉「第三章 怖い場所」全面に薄く写真、カバー裏表紙「7」に同じ。
【1】東北の山林の邸(102~110頁)
(原題:暗黒の大鏡)
『真説 稲川淳二のすご~く恐い話 首吊りのマンション』2014
【2】奥秩父の吊り橋(111~118頁)
ユニJオフィース 2004
【3】立川の踏切(119~121頁)
(原題:踏切に立つ女の影)
『稲川淳二のすご~く恐い話』1995
【4】吹上トンネル(122~127頁)
(原題:不思議なトンネル)
『新 稲川淳二のすご~く恐い話 異人館に棲む少女』2007
【5】新島の海軍基地(128~130頁)
ユニJオフィース 2004
【6】川崎の消防署(131~134頁)
(原題:消防署に住む幽霊)
『稲川淳二のすご~く恐い話』1995
【7】小淵沢のT字路(135~139頁)
(原題:稲川淳二のバイク事故)
『稲川淳二のすご~く恐い話Ⅴ』2002
【8】樹海(140~141頁)
’(原題:樹海 最後の写真)
『真説 稲川淳二のすご~く恐い話 閉ざされたブラインド』2012
【9】犬鳴峠(142~146頁)
『稲川淳二のすご~く恐い話Ⅱ』1995
【10】沖縄の廃屋(147~156頁)
ユニJオフィース 2006
・157頁(頁付なし)扉「第四章 怖い噺」全面に薄く写真、カバー裏表紙「1」と「6」と同じ和服だが、髪の毛が黒々としている。
【1】赤いはんてん(158~160頁)
『新 稲川淳二のすご~く恐い話』2003
【2】ゆきちゃん(161~164頁)
(原題:見知らぬ声)
『稲川淳二のすご~く恐い話Ⅲ』1997
【3】暗闇の病院(165~172頁)
『新 稲川淳二のすご~く恐い話』2003
【4】夢の中の踏切に立つ女(173~175頁)
『稲川淳二のすご~く恐い話』1995
【5】ミシン(176~183頁)
『真説 稲川淳二のすご~く恐い話 閉ざされたブラインド』2012
【6】深夜の訪問者(184~189頁)
『真説 稲川淳二のすご~く恐い話 真下の怨霊』2011
【7】遅れてきたふたり(190~195頁)
(原題:遅れてきた2人)
『真説 稲川淳二のすご~く恐い話 消えた家族』2015
【8】身代わり人形(196~200頁)
『新 稲川淳二のすご~く恐い話 身代わり人形』2004
【9】赤いぽっくり(201~204頁)
『稲川淳二のすご~く恐い話』1995
【10】緑の館(205~219頁)
『真説 稲川淳二のすご~く恐い話 緑の館』2013
リイド社は講談社の系列会社なのかと思ったが、そうではないらしい。――前回、版元HPの「内容紹介」に「少々誇張があ」ると述べたのだが、この「出典・初出一覧」を眺めることでいよいよその印象を強くした。詳しくは②『昭和・平成・令和 長編集』の細目及び「出典・初出一覧」を見た上で述べることとしよう。(以下続稿)
*1:②はここに読点を打つ。