一昨日からの続き。
③『沖田総司幻歌』
これは今、私の手許に3冊ある。第一刷(1974.11.15)が2冊、第二刷(1976.10.15)が1冊、前者のうち1冊については2023年12月9日付「森満喜子「濤江介正近」(01)」にて、受入印や愛に溢れた書入れを紹介して置いた。裏表紙見返し遊紙に貼付されている「かえす日」票の記載にも触れたが1枚めの最初は「50,11,9」で最後が「53,11,5」、2枚めは「54,2,7」から「62.6.20」までである。その後借りたもう1冊には受入印はなく裏表紙見返し遊紙に貼付されている「次に記した日までに返して下さい」票は1枚めが「51.7.13」から「'98.9.13」まで(但し「61.8.14」から「’97.8.-8」まで11年空いている)で2枚めは「’99.4.30」から「01.10.28」までで半分は余白、第二刷が出る何ヶ月か前に購入したもののようである。後者にはカバー裏表紙に「60年3月25日」とある「受入」票が貼付されている。
第一刷の2冊に異同はないようだ。よって第一刷と第二刷、それからオークションサイトの画像で見た第四刷の異同を確認して行くこととする。
奥付、上部の〈著者略歴〉については、2023年12月24日付「森満喜子「濤江介正近」(16)」に第一刷の記載内容をメモして置いた。第二刷『定本沖田総司』が第二刷に追加されていること、第四刷はオークションサイトの画像では最後の2行が「『定本沖田総司―おもかげ抄』『沖田総司落花抄』/現住所 熊本県荒尾市下井手 188 大場医院」となっていることが分かる*1。縦組部分の異同は第二刷の発行日の追加、第四刷の発行日の追加と第一刷発行日の字配り、「発行者」が第一刷「菅 貞人」第二刷・第四刷「菅 英志」、「製本所」が第一刷「美 成 社」第二刷・第四刷「大 観 社」。奥付裏とカバー裏表紙折返しの目録は昨日の記事に取り上げて置いた。カバー裏表紙最下部左詰めに白抜きで第一刷「0093-50063-3306 980円」第二刷「0093-50063-3306/定価980円」。
④『定本 沖田総司――おもかげ抄』
これも私は1冊だけ、第四刷(1978.2.25)を借りただけである。⑨新装版が刊行されたため、旧版は除籍処分されてしまったのだろうか。
オークションサイトの第五刷(1988.5.10)の画像との異同を註記して置こう。
私の見た第四刷はカバー裏表紙に「60年3月25日」とある「受入」票が貼付されているが、この頃、森氏の著書は長らく増刷されずにいたことが第五刷の発行日からも察せられる。
カバー裏表紙、第四刷は赤地部分の右上に「0021-30335-3306/定価1200円」とあったが第五刷の画像では下部を白く抜いて[ ISBN4-404-00694-2 C0021 P1250E 定価1250円(本体1214円) ]とある。平成元年(1989)4月以降に掛け替えたカバーである。
奥付、上部の〈著者略歴〉の、第一刷と第四刷の記載内容は2023年12月24日付「森満喜子「濤江介正近」(16)」にメモしてあるが、第一刷(の画像)を何処で見たのか、記憶がない。それはともかく、第四刷には「昭和23年より大牟田保健所勤務,現在に至る。」とあるのだが、その3ヶ月前の増刷である①『沖田総司哀歌』第十刷(1977.11.25)では、2月5日付(03)に見たように「昭和23年より昭和51年まで大牟田保健所勤務。」となっていた。①『沖田総司哀歌』は改めたのに本書、或いは②『沖田総司抄』第七刷(1977.11.5)はそのままにしてしまっているのである。これではいつ大牟田保健所を退職したのかが分からない。ところが、ここは第五刷でも訂正されていないのである。著書は、第五刷でも第四刷のまま。しかし第四刷「現住所 熊本県荒尾市下井手188大場医院」は第五刷で「現住所 東京都品川区南品川5-16-50 エクセルハイツ大井仙台坂XXX」となっていて、いよいよ大牟田保健所勤務が「現在に至る」を改めない無神経さが分からない。
Wikipedia「森満喜子」項は大牟田保健所を退職した昭和51年(1976)に上京したことにしていたが、しばらく荒尾市の大場医院にいたので、直ちに上京したのではないはずである。8階建マンション「エクセルハイツ大井仙台坂」は現存し、不動産会社のサイトを見るに「交通」は「京急本線 / 青物横丁駅 徒歩3分/京急本線 / 鮫洲駅 徒歩7分」と至便、そして「築年月(築年数)」は「1981年10月 (築43年)」である。もしここを購入して上京したのであれば昭和56年(1981)10月以降の上京と云うことになるのだがどうだろうか。
縦組み部分の異同はそれぞれの発行日、「印刷所/製本所」が第四刷「広研印刷/大 観 社」第五刷「明邦印刷/小高製本」であること。奥付裏から目録が7頁、最後の頁のみ昨日の記事に触れてある。6頁めまでは別に検討することとしよう。(以下続稿)
*1:第四刷の画像のカバーには帯が掛かっていて、裏表紙の文字などが見えない。現物を見ている訳ではないので帯についてはメモしない。