さて、本体の異同を見て行こう。
無地の見返し(遊紙あり)、次いでモノクロ口絵4頁分(頁付なし)は同じ、扉(i頁、頁付なし)は本文共紙で、レイアウトはカバー表紙に似る。右上にゴシック体で「刀水歴史全書15」右下にゴシック体で「刀 水 書 房」とある。上部左寄りに標題、その下少し間を空けて著者名、左下にカバー表紙と同じ山神碑の写真がある。追補版では標題の右に小さくゴシック体で「〔追補版〕」とある。標題の文字は初版・追補版それぞれカバー表紙の文字と同じらしい。なお、追補版では著者名は初版より一回り大きい。また、版元名は明朝体で字間を詰めて入っている。
「目次」とのみある扉(iii頁、頁付なし)に次いで、前付iv〜vii頁が目次。追補版1のカバー裏表紙にも大要が示されていたが、章節とその頁数まで示された詳細なものである。ここにはカバー裏表紙には省略されていた〔付録〕の細目も示されており、その最後は初版では「〔付録〕解説 237*1」で、その次に縦線を挟んで「『遠野物語』から省かれたもの―むすびにかえて 243」で目次が終わっていたが、追補版では〔付録〕の最後以降は次のようになっている(前付vii頁)。
〔付録〕解説 237
〔追 補〕 243
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『遠野物語』から省かれたもの―むすびにかえて 253
〔追補版〕あとがき 272
すなわち、この〔付録〕の〔追補〕が243〜252頁に挿入されたこと、それから「〔追補版〕あとがき」が末尾(272〜275頁)に加えられたことで、追補版は合計14頁、初版よりも増えているのである。
前付vii頁の裏は白紙、その次が中扉(1頁、頁付なし)で上部中央に縦書きで「もう一つの遠野物語〔追補版〕」とある。初版には〔追補版〕の文字がない。2頁(頁付なし)は白紙で3頁(頁付なし)が中扉で左肩に「第一部 遠野と民話―目前の出来事」と縦書きで入る。各部の中扉の形式は以下同じ。本文(及び頁付)はその裏4頁から始まっている。(以下続稿)
*1:目次は縦書きであるが、算用数字は全て横転している。