瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

塩嘗地蔵(08)

A5判(21.0×14.8cm)の写真を主とした、本から。いずれも原田寛の写真の3種。
・楽学ブックス

鎌倉の古寺 仏像と四季の花を訪ねる (楽学ブックス―古寺巡礼)

鎌倉の古寺 仏像と四季の花を訪ねる (楽学ブックス―古寺巡礼)

 原田寛 写真・文『鎌倉の古寺 仏像と四季の花を訪ねる(古寺巡礼5)』。奥付ではなくカバー裏表紙折返しの右下に「2008年3月15日 初版印刷/2008年4月1日 初版発行」とある(JTBパブリッシング・定価1,600円・144頁)。最初に「鎌倉の四季花ごよみ」として極彩色の花々の写真(4〜13頁)を載せて引き込む算段になっている。以下「北鎌倉」14〜43頁、「金沢街道・鎌倉駅西口」44〜79頁、「大町・材木座」80〜99頁、「江ノ電沿線」100〜121頁。「光触寺」は62〜63頁の見開きに紹介されている。写真はカラーで3つ、62頁の写真「不思議な伝説を今に伝える頬焼け阿弥陀如来立像」は『図説|鎌倉伝説散歩』25頁の写真の縮小、63頁左下の写真「本堂前の小堂に安置されている塩嘗地蔵」は、『図説|鎌倉伝説散歩』26頁右上の写真の部分拡大。63頁左上の、山門とアジサイの写真は『図説|鎌倉伝説散歩』とは共通しない。同じ人の本だから細かく点検すれば共通する写真は他にも指摘されるであろう。塩嘗地蔵の説明は本文63頁上段〜中段に見える。「もうひとつ」というのは、まず62頁下段に「頬焼阿弥陀縁起絵巻」の梗概が示されていたことによる。

 もうひとつ、本堂右脇の六地蔵にも言い伝えがある。かつて六浦(現在の横浜市金沢区六浦)の塩売り商人が鎌倉へ向かう途中、商売繁盛を祈って地蔵に初穂の塩を供えた。ところが、帰るときにはなくなっていたことから、地蔵が嘗めてしまったのだろうと「塩嘗地蔵」の名で呼ばれるようになったという。*1


 なお、同じ版元から似たような本が出ていたが、関係は未確認。確認出来たら追記したい。

鎌倉の古寺 JTBキャンブックス

鎌倉の古寺 JTBキャンブックス

 後の2種には塩嘗地蔵は載っていないが、原田氏の写真ということでついでだから、挙げておく。
講談社カルチャーブックス
立原正秋の鎌倉―立原幹と歩く (講談社カルチャーブックス)

立原正秋の鎌倉―立原幹と歩く (講談社カルチャーブックス)

 講談社 編/原田寛 写真『立原 幹と歩く 立原正秋の鎌倉(講談社カルチャーブックス126)』(一九九八年六月一日第一刷発行・定価1700円・講談社・143頁)。立原正秋(1926〜1980)の小説に描かれた鎌倉を紹介、娘立原幹(1953生)の鎌倉と父を回想したエッセイ6編を収録。
ないしょにしておきたい鎌倉 (講談社カルチャーブックス)

ないしょにしておきたい鎌倉 (講談社カルチャーブックス)

 原田寛 写真・文『ないしょにしておきたい鎌倉(講談社カルチャーブックス130)』(一九九九年二月十六日第一刷発行・定価1800円・講談社・127頁)。隠れた名所・名店の紹介。

*1:ルビ「むつら・むつうら」