瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

塩嘗地蔵(035)

講談社カルチャーブックス講談社)A5判、並製本、カバー。
 このシリーズは、7月5日付(08)で、塩嘗地蔵に触れていない2冊を紹介した。それから『遠野物語』関連の1冊を5月7日付で紹介している。
 安西篤子 監修『鎌倉 歴史の散歩道 中世の香りを残す古都を歩く』(一九九三年五月二十八日第一刷発行・定価1456円・144頁)。
 奥付には監修者の名のみあって執筆者の名前はない。目次(2〜5頁)に見える「編集協力」(3頁)が執筆者であろうか。「鶴岡八幡宮/小町・大町/北鎌倉/二階堂/金沢街道/材木座・逗子/扇ケ谷/長谷・由比ケ浜/稲村ケ崎・江の島」の9つの章と章末に配置されるコラム「名数で知る鎌倉/鎌倉を彩った人々」その他からなるが、6〜11頁「私の鎌倉散歩」と各章の初めの1頁に安西氏のエッセイが配置されている。
 54〜61頁「金沢街道」は章題下のリード文に「六浦の塩売りが切通しを越えてやってきた古道。*1/岩をうがった切通しに、個人の歩む足音を聞く」とあり、目次にある副題(3頁)及び56〜57頁の地図に附されている説明文(56頁)は「塩の道を歩く」と題されている。本文は3段組でカラー写真が豊富に挿入されている。
 光触寺は60頁上段に「街道筋を光触寺へ」として紹介されている(〜中段2行め)。この節は2段落からなるが、1段め(7行)は十二所神社について述べ、2段め(10行)が光触寺について述べられる。2段めの3〜8行めを引いて置く。

……。本堂の右手にある/塩嘗地蔵は、六浦の塩売りに縁が深い。かつ/ては金沢街道に面して立っており、その前を/行き来するたびに塩をお供えしていた。それ/が帰りに見ると、なくなっていたというので/ある。……*2


 段落の最後は「頬焼阿弥陀*3」に触れて終わっている。
 カラーは104頁までで、以下は単色で、105〜123頁「早わかり鎌倉史 平安時代から桃山時代まで」、124〜133頁「『鎌倉・歴史の散歩道』人名辞典」で72名(うち10名はコラム「鎌倉を彩った人々」に1頁を使って詳しく紹介)を解説。このような配慮からも察せられるように、歴史人名は本文中にかなり登場する。134〜137頁「鎌倉の年中行事」、143〜138頁(横組み)「索引」は「地名・旧跡/人名/事項」に分かれていて、「詳しい説明のあるページ」を「太い数字」で示すなどの工夫がなされている。

*1:ルビ「むつら・きりどお」。

*2:ルビ「しおなめ」。

*3:ルビ「ほおやき」。