神谷道倫『深く歩く 鎌倉史跡散策 上』(平成十八年七月二十七日第一刷発行・平成十九年七月三十一日第二刷発行・定価1429円・かまくら春秋社・269頁)四六判、縦書き。
貼り付けたAmazonの書影は増補版のもの。ただ、初版のカバー表紙も「増補版」という文字がないだけで、同一である。
- 作者: 神谷道倫
- 出版社/メーカー: かまくら春秋社
- 発売日: 2009/05
- メディア: 単行本
- クリック: 4回
- この商品を含むブログ (1件) を見る
『上』『下』それぞれ11コース、合計22コースが紹介されているが、光触寺は『上』195〜215頁「九 光触寺・朝比奈切通し・鼻欠地蔵コース」に見えている。この章はさらに「1 明王院など/2 光触寺・十二所神社/3 太刀洗水など/4 朝比奈切通しなど/5 上総介塔・鼻欠地蔵など」の節に分かれている。200頁〜203頁上段18行め「2」のうち202頁上段20行めまでが光触寺である。頬焼阿弥陀の縁起をメインに紹介しており、塩嘗地蔵の記述は201頁下段21行めから202頁上段14行めまで。但し202頁上段1〜13行めまでの上15字分は「塩売り商人が塩を供えた塩嘗地蔵」の写真である。この節には他に写真はない。以下に本文を引用する。
本堂の前の小さな地蔵堂には塩嘗地蔵*1と呼ばれる石/の地蔵坐像が安置されている。もとは金沢街道の傍ら【201頁】/にあり、六浦(横浜/市金沢区)の塩売り/の商人が、鎌倉に商/いに行く時に朝のう/ちにここを通り、こ/の地蔵に初穂として/ひとつまみの塩を供/えて行くのが習いで/あった。帰りに塩は/なくなっているので、/この地蔵が塩を嘗め/てしまうのだろうと/いわれて、このよう/に名づけられたという伝説を持っている。……
*1:ルビ「しおなめじぞう」。