瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

塩嘗地蔵(037)

・ひげの梶さん 歴史文学探歩シリーズ(広島・南々社)B5判並製本、カバー、オールカラー、縦組み4段組。

ひげの梶さんと誰も気づかなかった鎌倉を歩こう! (ひげの梶さん歴史文学探歩シリーズ)

ひげの梶さんと誰も気づかなかった鎌倉を歩こう! (ひげの梶さん歴史文学探歩シリーズ)

ひげの梶さんと鎌倉を歩こう! (ひげの梶さん歴史文学探歩シリーズ)

ひげの梶さんと鎌倉を歩こう! (ひげの梶さん歴史文学探歩シリーズ)

 梶本晃司(ひげの梶さん歴史文学探歩会 主宰) 文・写真/蒲田知美 イラスト。現在、❼まで刊行されている。
 『ひげの梶さんと誰も気づかなかった鎌倉を歩こう!(ひげの梶さん 歴史文学探歩シリーズ❷)』(2002年10月4日初版第1刷・定価1500円・126頁)
 『ひげの梶さんと鎌倉を歩こう! 改訂版(ひげの梶さん 歴史文学探歩シリーズ❻)』(2009年4月10日初版第1刷・定価1500円・126頁)
 パート2(❹)は未見。
 初版(❷)と改訂版(❻)の違いについて見て行くと、まず標題が違う他、カバーに使われているイラストが差し替えられている。カバー表紙折返しの上部に「ひげの梶さんのプロフィール」と「イラストを描いた人のプロフィール」があるが、梶さんの写真は差し替えられ、少し書き換えられている。また左やや下に「カバーイラスト」のキャプション。
 目次(2〜5頁)の最初の頁の下に、改訂版では横書きで、次のようにある。

編集部注:改訂版に際し、表紙を一新しました。また著者が再度、7コースすべてを歩き、事実関係の確/認などを行いました。それに伴い、一部写真をさしかえるとともに、コラムを1本追加し、イラスト内の/名称・場所などの変更・誤りを正しました。


 これにより改訂のポイントが判明する。初版では20本だった「ひげの梶さん 鎌倉もの知りコラム」に、新たに28頁右下「➐ 駿河大納言・忠長の供養塔」が加わって、以下番号が1つズレて21本になっている。なお、このコラムが追加された28〜29頁見開きだが、改訂版も初版の文章を削らずに上手く収めている。すなわち28頁の写真(4つ)を縮小し、29頁のコラム「➐*1 鎌倉の風景・切通しは、「鎌倉城」の砦*2」の活字を小さいものに変え「亀ヶ谷坂切通し」の写真を見下ろす写真から見上げる写真に差し替えて対応している。
 全7コースのうち60〜77頁「コース3 古き道を訪ねて〜金沢街道を朝比奈切通しまで〜」は、鎌倉駅から朝比奈バス停までの約7,650mで、まず最初の見開き(60〜61頁)に「コース➌全体図」、そして次の見開き(62〜63頁)に前半「コース➌拡大図-1/金沢街道に沿って歴史を体感します」で、以下64〜69頁、「[1]宇都宮辻子幕府跡」から泉水橋近くの「[10]足利公方屋敷跡」まで、10箇所のポイントを写真入りで解説。「歴史文学探歩会」主宰らしく、文体はガイドらしい敬体で、道筋の説明も具体的、史跡の解説が充実している。70〜71頁に後半「コース➌拡大図-2/朝比奈切通しあじわいます」があり「[11]五大堂明王院」から朝比奈バス停([19])まで(72〜77頁)。「[15]光触寺」は71頁のイラスト図にも吹き出しに「塩なめ地蔵/頬焼阿弥陀/興味深い/言い伝えが/残る寺」とあり、74頁3〜4段めの説明文は「[15]光触寺・塩なめ地蔵 ―昔話が伝わるお地蔵様―」と題され、本尊の頬焼阿弥陀は名前が出るだけ。後半は以下の通り。

……一遍上人の像の左手、お堂の内に塩なめ地蔵さんがいらっしゃいます。
 これから私たちが歩く道は、六浦(横浜市金沢区)とつながる道です。その昔、六浦の塩売りは、峠道を越え、鎌倉に塩を売りにきました。そのとき、お地蔵さまに、「朝比奈の峠を、無事越えてきました。どうか、町での商売がうまくいきますように」と祈ったことでしょう。無事に商いを越え、帰りにお礼が言いたくて寄ってみると、お地蔵さまにお供えした塩はなくなっていたそうです。お地蔵さまがお塩をなめてしまわれた、ということから「塩なめ地蔵」とよばれるようになりました。*3


写真は3段め左に「光触寺塩なめ地蔵」、75頁1〜2段めに「光触寺山門」。
 細かい比較は省略、このコースは、65頁左上の「若宮大路幕府跡の碑から大佛次郎邸」と左下「関所橋」の写真が差し替えられているだけで、他は初版・改訂版に変わりはないようである。
 126頁、改訂版はカバー表紙折返しと同じ、2人のプロフィールがあるが、初版では次の頁の奥付の上にあった。初版の126頁(横組み)は「ひげの梶さん歴史文学探歩会とは<催行レパートリー・充実の284コース>」として、入会案内と「鎌倉26コース」の紹介があり、事務局の連絡先がある。下に囲みで「■「鎌倉」をもっと詳しく知るためのブックリスト」として5つ挙がるが、この頁の情報は、改訂版にはない。
 奥付の裏、初版は「南々社の本」6種、改訂版は「南々社「歴史文学探歩シリーズ」」の広告で、発売中の④③⑤と近刊の⑦⑧の5つが挙がる。

*1:改訂版では「➑」。

*2:ルビ「とりで」。

*3:ルビ「むつうら」。