『ガラスの仮面 第5巻 舞台あらし①(白泉社文庫)』(一九九四年三月二十二日初版発行・一九九六年十一月二十五日第十七刷発行・定価563円・白泉社・318頁)
- 作者: 美内すずえ
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 1994/03/01
- メディア: 文庫
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・第4巻227頁2コマめ〜228頁4コマめ。
大都芸能/
第5会議室
社員:「えー 大都社の企業部門のやっています大都タウンビルの/渋谷の新ビルのことでありますが」/
社員:「これは来年3月着工/8月中旬には落成/店内装飾をすませて来年10月初旬オープンの予定であります」/
社員:「ビル内の店は銀座・新宿 赤坂・六本木などの有名ブティックを中心にすでに予約ずみです」/
社員:「また7階8階にはレストラン街を設け/これも一流レストランが軒なみ店を開く予定です」/(227頁)
社員:「10階は大都劇場/どこの劇団ということにとらわれず 力作・話題作を意欲的に上演させるつもりでいます」/
真澄:「オープンの演し物はきまったのか?」/
社員:「は! なにか話題を呼ぶものと考えまして/第1作目はヘレン・ケラーの「奇跡の人」を企画しました」/
出席者たち:ザワ‥/
・第5巻244頁1コマめ〜3コマめ。同じ事業についての、その後の報告である。
大都芸能/
社員:「これがヘレン・ケラー役の候補者達です」/
社員:「今秋オープン予定のタウンビル9Fの大都劇場の呼び物となる「奇跡の人」のヘレン役!/ひそかに人選に人選を重ねて各劇団やタレントなどの中から15名リストアップしました」
重役:「それですべてかね?」/
第4巻の会議では、6階までがブティックで「7階8階にはレストラン街」は良いとして、そこで「9F」を飛ばして「10階は大都劇場」と言っていたのだが、第5巻の会議では「9Fの大都劇場」と言っている。当初、「9F」を飛ばして「10階」にした、合理的理由があったのだと思うのだが、次に書くときには忘れていた、ということなのだろうか。
それはともかく、第4巻で説明していた社員は色の濃いスーツに白ネクタイ、メガネをかけた温和そうな人物であった。ところが、第5巻では色の濃いスーツに黒ネクタイ、サングラスをかけた強気な人物である。第4巻230頁7コマめと第5巻244頁4コマめの横顔とを比較するに、鼻の形からして別人である。……人の良さそうな第4巻の人が担当を外されてもっと押しの強い人に変えられたとすれば、なんだか胸が痛む(……嘘です)。
それはそうと、オープンした後に何階になっているのかは、続きの巻を読んでいないので未確認。