瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

美内すずえ『ガラスの仮面』(4)

 第3巻の巻末にある白泉社文庫の広告を見ていて、『動物のお医者さん』単行本全12巻も大学時代、全巻揃えた友人がサークルBOXに持って来て(特に私のためにではないが)しばらくそのまま置いてくれた間に読んでいたことを思い出した。

動物のお医者さん (1) (花とゆめCOMICS)

動物のお医者さん (1) (花とゆめCOMICS)

 漆原教授という怪しい先生が、「ビッグコミックオリジナル」をサークルBOXに放置していた先輩に似ていたことも、思い出した。

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 どうも、最近昔のことを忘れている。きっかけがないと思い出せない。それも少しのきっかけではいけない。尤も、最近のこともあまり覚えていない。そう言えば、30代の頃、一度『こゝろ』を読んだのに、数年後まだ読んでいないつもりで読んだことがあった。読んでる間にも思い出さず、その後読書メモを漁っていて既に読んでいたことに気が付いたのである。かなり重症だ。しかし、最初に読んだときの印象は、さっぱり思い出せなかった。高校時代にKが自殺する辺りを現代文の授業で、だらだらと詰まらない説明とともに聞かされた苦痛は今でも覚えているが。それに反発して、オッサンになるまで『こゝろ』を読まなかった。

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ガラスの仮面 第4巻 あした草白泉社文庫)』(一九九四年三月二十二日初版発行・一九九七年九月十五日第二十二刷発行・定価562円・白泉社・319頁)

ガラスの仮面 (第4巻) (白泉社文庫)

ガラスの仮面 (第4巻) (白泉社文庫)

・152頁3コマめ〜5コマめ、栄進座をひきいる演劇界の大御所的女優・原田菊子に舞台「おんな河」の子守役を与えられ、本番直前に客席を覗き見て観客の年齢の高さに戸惑いを覚えるマヤに原田先生が助言するシーン。

原田:「劇場や演し物によって客層もずいぶんちがいますよ/だから同じ演技をしても反応がちがう/大人と子供 若者と中年 老年」
原田:「今まではどういう客層だったの?」
マヤ:「え…と 学校の生徒や若い人が多かったです」
原田:「そう… ではこれはいい経験になるわ/ためしてごらなさい あなたの演技がどこまでこの栄進座の客層にうけいれられるか」
マヤ:!


※「若者」に「ヤング」という振仮名がある辺り、時代を感じます。
・203頁2コマめ、姫川亜弓の「王子とこじき」をほめる新聞・雑誌を並べたところ、手書きの「大好評」の「評」の字が言偏に¥の「言¥」という文字になっている。