瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

美内すずえ『ガラスの仮面』(11)

 昨日、明け方悪夢を見た。なんかの勉強会で、左翼系の平和愛好家たちの集まりみたいで、普段はそんな連中と全く関わりはないのだけれども、なぜか出席していて、暗い茶色の木目模様の長い机で、前の黒板の方を見ていたのだが、どんな話なんだか覚えていない。覚えているのは参加者の女性が窓の外を見て騒ぎ出したので、何事かと他の連中と窓越しに見下ろすと、隣のビルの、1フロア下の、畳敷きの大広間が見渡せたのだが、布団が敷いてありそこで何人もの人が横たわって、そのうちの口から血を少し流している女性と目が合ったのが、それがまるで誘うような目付きで、……続きはちょっと書くに忍びない。簡単にいうと、集団自殺を目撃し、そして、……さらに恐ろしい展開になるのだが、それはもう小説かなんかとして書くしかない。

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・単行本第3巻82〜84頁は、8月28日付(03)で突っ込んだ文庫版第2巻136〜138頁、“紫のバラのひと”速水真澄が月影先生を苛めるシーンだが、同じところを引いてみよう。

真澄:「あの劇評を書いたのはプロの劇評家達ですよ/ぼくじゃない」
月影:「あなたがお金で書かせたのよ!」(82頁)
真澄:はっはっはっは
真澄:「専門家達の意見は貴重ですよ/世間の人々は彼らの意見に左右されますからね/これで劇団つきかげの世間の評価は決まったようなものだ」
真澄:「以前に忠告申しあげたはずだ/大都芸能にさからうとどんなことになってもしらないと」
真澄:ははは「まあこのあいだの舞台はいいヒマつぶしになりましたよ」
真澄:はっ(83頁)
ト、視線の先に軽く握った右手を口に当てて青ざめて震える北島マヤ
青ざめ冷や汗をかいて絶句する速水真澄
真澄:(聞かれたくなかった! こんな会話を……!/この女にだけは…… 聞かれたくなかった…!)(84頁)

と2箇所、文庫版では細かいところで手を入れてあることが分かる。
 8月28日付(03)で突っ込んだ、
・文庫版第2巻131頁=単行本第3巻77頁
・文庫版第2巻185頁=単行本第3巻131頁
・文庫版第3巻65頁=単行本第4巻143頁
・文庫版第3巻291〜302頁=単行本第5巻177〜188頁
は、一致している。
 新たに気付いたところ。
・文庫版第2巻150頁樋口一葉たけくらべ」の紹介に「今をときめく花魁大巻の妹 美登利は美人で勝気でおきゃんな少女 年は数えの14歳」とあるのだが、「大巻」のルビは「おおまき」である。これが単行本第3巻96頁では「たまき」だった。以下、しばらく「たけくらべ」の件が続くが、単行本は全て「たまき」で、文庫版はこれを全て「おおまき」に直している。
・文庫版第2巻221頁4コマめのさやかの台詞「まるで正気の沙汰じゃないわ/先生もあの子も」は、単行本第3巻167頁では「まるできちがいざただわ/先生もあの子も」だった。
・単行本第3巻の巻末「ガラスの仮面/扉絵特選ギャラリー」のうち、最後の186頁の絵は単行本第4巻カバー表紙折返しにカラーで掲載されている(縮小、一部カット)。

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 しかし、あんまり夢は覚えていない方だが、そんな中でも怖い夢はあまり見た覚えがないのだが、そういう映像もまず見ないし。しかし恐ろしかった。でも、幽霊やら妖怪やらそんなものが出てこなかったのは、一応私らしかったというべきか。