瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

浅沼良次編『八丈島の民話』(1)

 未来社の『日本の民話』シリーズは何度か版を改めて出ている。『八丈島の民話』を例にしてみると以下のようになろうか。
上製本初版
上製本ほるぷ
上製本新編
並製本(新装・オンデマンド版
 呼び方の候補は他にもあるかも知れないが、仮にこう定めておく。
 ②と④の本文は①の復刻、①と④は210頁、②は少し編成が異なる。③は新たに組み直しており、他の版がA5判であるのに対し、この版のみ四六判である。

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 ①は第八刷を見た。古い図書館に行けばまだあると思うので、他の刷についても確認し次第補っていきたい。
 一九六五年八月一五日第一刷発行・一九七七年一一月一〇日第八刷発行・定価一二〇〇円。
 10月18日付「七人坊主(5)」でも見たように、④に使用されているのは一九八〇年七月一〇日第九刷発行だった。*1
 カバーは地色は御納戸色で、表紙は若竹色の八丈島の形、西山に高低2株の椰子の木を黒で表し、東山の南、突き出した小岩戸ヶ鼻を中心に樫立・中之郷・末吉辺りの沿岸の海に白く幾本かの筋を入れ、南から寄せ来る黒潮を表現している。文字は白抜きで、左肩に毛筆で標題、下部に横書きで「日本の民話40 未 來 社」とレタリング。背表紙は上部に表紙の標題と同じ文字を縮小して入れ、その下に「浅沼良次編」と細いゴシック体、最下部に「未来」のロゴマーク。裏表紙は鏃型の黒い二等辺三角形で舟を表し、9艘の舟で9匹の魚を追い詰めるところ、舟と魚が白い波を後に引いており、特に魚たちは颱風のような渦を巻いている。折返しは白で文字などはない。本体の表紙は薄縹色。剥がした状態を見ていないので文字等は確認し次第補足したい。
 ④のオンデマンド版はこのカバー装幀は踏襲していない。オンデマンド版の書影は未来社のHPで検索すると見ることが出来る。見返しは淡い黄緑色で①④共通。扉も①がクリーム色の紙であるのに対し、④が白の紙である点が異なるのみ。
 まず1〜5頁に「昭和四十年七月」付の「はしがき」、6頁(頁付なし)は白紙、7頁(頁付なし)は目次の扉でマンボウと熱帯魚のカットに「八丈島の民話 目次」とあり、以下11頁まで目次(頁付なし)。12頁(頁付なし)は【八丈島の地図】で、八丈島と小島の略図、図中に「ほうれんごし・タコのムコ殿・半七ゾク・孤灯行者・ほととぎすの兄弟・タナ婆の話・亡魂船・アズバタの木・鬼の石・黒瀬の荒れるわけ・人捨てヤア・みこし入道」の12話の題名を、伝承地に書き込んでいる。また左上の枠に「伊豆諸島」の中での「八丈島」の位置を、示してある。
 13頁(頁付なし)は中扉で標題のみ、裏は白紙。(以下続稿)

*1:【12月21日追記】初版を見た。一九六五年八月一五日第一刷発行・定価三八〇円。カバーの色は第八刷に比して濃く、海は紺色で黒潮らしい色調である。表紙折返しに「カバー・さしえ  松 川 八 洲 雄」とある。扉もオンデマンド版と比較するに、毛筆体の題字は同じだが、その他は微妙に違っている。【2021年2月3日追記】第二刷を見た。一九六五年八月一五日 第一刷発行・一九六八年一月一五日 第二刷発行・定価 三八〇円。第一刷と比較する機会を作れたのに、うっかりして逃してしまった。