瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

浅沼良次編『八丈島の民話』(5)

グラフィックカラー 日本の民話 5 関東II〈千葉・東京・神奈川〉』研秀出版・147頁。26.0×21.0cm。上製本
 研秀出版は昭和40年(1965)9月に学研の子会社として設立され、平成21年(2009)10月に学研ネクストと商号を変更している。大型本の叢書を訪問販売していたらしく、この本の奥付にも、一番下に「*この本は店頭では販売しておりません。お伺いした販売員に直接お申込みください*」とある。奥付には発行日が入っていないが、発行所や印刷所の下にある「Ⓒ1977     1115⑪」という数字が発行年月日らしく見える。全20巻。
 グラフィックカラーとあるように、この巻では巻末141〜147頁を除いて、5〜28頁・61〜68頁「四季」・93〜100頁「民家と民具」・133〜140頁「郷土玩具と民芸品」がカラー、他は2色刷である。
 最初のカラー頁は「●カラー民話」として6〜8頁「金太郎」9〜12頁「小栗判官と照手姫」、本文に名前がないが、目次に萩坂昇とある。次に「●民話のふるさと」として13〜15頁「大山」16〜17頁「匝瑳」18〜19頁「檜原」20〜23頁「八丈島」、執筆者は萩坂昇・平野馨・原田重久・浅沼良次。24〜25頁の「幽霊考」は目次に武田静澄とある。これは特に関東に限っていない。本文には記述はないが25頁に「娘の霊が移って髪がのび続けている菊子人形(北海道栗沢町萬念寺蔵)」のカラー写真が掲載されている。26〜28頁は「●伝説特別テーマ/日蓮伝説」で執筆者は荒川法勝。これは確かに南関東に縁が深い。
 1頁(頁付なし)は扉、2〜3頁は「目次」、4頁は上部に「日本民話地図」と題するこの3都県の地図、下部に「民話指導・執筆」として4名、「郷土文化指導・執筆」として4名、「執筆者」12名、「写真」21名と1団体、「さし絵・カット」5名の名が列挙される。浅沼氏の名は「民話指導・執筆」に、「浅沼良次  日本民俗学会会員」として見える。ついでに他の3名も引いて置こう。「高橋在久  千葉県立美術館副館長武田静澄  作家/萩坂昇  民話の研究会会員」。以下「執筆者」までの16名にも、肩書きが書き添えてある。
 高橋在久「●千葉の民話」30〜58頁、武田静澄・浅沼良次・渡辺節子・近藤若菜「●東京の民話」69〜90頁、萩坂昇「●神奈川の民話」101〜130頁。この題と執筆者は目次のもので、本文は29頁の中扉に「日本の民話〈千葉・東京・神奈川〉」とあって、それぞれの冒頭は「千葉」「東京」「神奈川」とあるのみ、執筆者名もない。従って、八丈島の話は浅沼氏の執筆と見当がつけられるものの、他の話は武田氏・渡辺氏・近藤氏のうちの誰の執筆なのかが、分からない。
 各都県の最後に「諸事伝説縁起〈千葉〉」59〜60頁、「諸事伝説縁起〈東京〉」91〜92頁、「諸事伝説縁起〈神奈川〉」131〜132頁がある。目次によると白川千鶴子の執筆。
 続いて、浅沼氏執筆の部分について『八丈島の民話』との関連を確認してみよう。(以下続稿)