瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

浅沼良次編『八丈島の民話』(4)

 浅沼氏はその後も「八丈島の民話」について、書く機会を持っている。
 以下しばらく、気が付いたもののいくつかを紹介してみたい。

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 東京都八丈島八丈町教育委員会 編著八丈島誌』(昭和四十八年三月二十日発行・非売品・八丈町教育委員会八丈島誌編纂委員会・642頁)では、第四篇「民俗」(471〜567頁)の第六章「民話」(545〜550頁)を執筆している。
 「第一節 民話の範囲」ではまず「(1) 民話の分類」として一般論を述べ、ついで「(2) 八丈民話の類型」としてその特殊性を指摘し、「第二章 八丈島民話の特色」でさらに細かく「(1) 自然環境から生まれた民話」「(2) 流人をテーマとした民話」「(3) 島民創造の伝説」に分けて分析している。そして最後に「参考資料」として、(1)の例として「(ア) トコラ」、(2)の例として「(イ) お豊虫」を引用している。
 「トコラ」は『八丈島の民話』の①④57〜58頁(13番め、②279〜280頁。③12番め、60〜62頁)に載る。段落数や句読点が減らされているが、同文である。気になるのは①④58頁2行め「しよごん」が『八丈島誌』549頁1行め「しょごん」、①④58頁5行め「よっきゃ!」が『八丈島誌』549頁4行め「よっきや!」となっている点である。
 「お豊虫」は『八丈島の民話』の①④136〜137頁(40番め、②358〜359頁。③38番め、156〜158頁)に載る。①④136頁9行めの1段「 その度にお豊は、死にたいほどがっかりしてしまうのでした。」を『八丈島誌』は欠いている(550頁2行めに入るべきもの)他は、句読点等を除いて同文である。(以下続稿)