瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

七人坊主(13)

 11月2日付(10)に書いた、小池氏が[参考文献]に挙げておきながら『怪奇探偵の実録事件ファイル2』の本文中には全く触れていない国学院大学文学第二研究室記念論文編集委員会 編『口承文藝の展開』上(昭和四十九年十二月十五日発行・定価二五〇〇円・桜楓社・232頁)だけれども、扉に「臼田甚五郎博士還暦記念」とあって、國學院大学教授臼田甚五郎(1915.1.25〜2006.10.26)の還暦を記念して門下生たちから論文を募ってまとめたもので、上下各14本、合計28本の論文から成る。その、上の10番目(162〜178頁)が矢口裕康「島の昔話伝承――八丈島中之郷を中心に――」である。
 小寺氏の文を探すのに活用したWikipedia八丈方言関連の文献一覧」には、これは載っていない。雑誌掲載論文は目録に採られるが、論文集に収録されたものは漏れがちである。それで載っていないのだが、これとは別の一文が出ている。
 日本民俗学会の機関誌「日本民俗学」第九六号(昭和四九年一〇月三一日発行・日本民俗学会・84頁)、この号は表紙に「口承文芸特集号」の副題があるのだが、表紙の目次に「資料報告 八丈島中之郷の伝承 ……… 矢 口 裕 康 70」とある。ちなみに裏表紙は英文の表紙「BULLETIN OF THE FOLKLORE SOCIETY OF JAPAN / (NIHON-MINZOKUGAKU)/ No.96   October 1974」の「CONRTENTS」で、「The Traditions at nakanogō, Hachijō Island……………Hiroyasu Yaguchi…(70)」とある。本文の方には「資料報告」は角書で、「―昔話を中心に―」との副題がある。70〜77頁、77頁の最後に(以下巻末に続く)とあって、3段組の奥付(頁付なし)のうちの上段に続いている。奥付の裏が裏表紙。
 この2つの文章は、後に矢口氏単独の論文集に改題再録されている。
 矢口裕康『語りの伝承(鉱脈叢書15)』(1987年5月15日発行・定価1600円・鉱脈社・298頁)B6判並製本
 以前どこかに書いたが、論文データベースの類では、初出は登録されていても再録が出て来ない。この本に八丈島中之郷関係の2本が収録されていることは、目録類には見えないようである。(以下続稿)