瑣事加減

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塩嘗地蔵(049)

新編 鎌倉事典

新編 鎌倉事典

涌田佑『新編 鎌倉事典』(2011年9月15日初版第1刷発行・定価1,700円・文芸社・241頁)A5判並製本、カバーのみカラー。
 Amazon詳細ページのクリックなか見!検索で表紙や索引は閲覧出来る。
 カバー背表紙はカバー表紙と同じ字体で、茶色地に白抜きで上部に標題、下部に著者名が入る。カバー折返しの下部に「カバーデザイン 國末千加」とある。他にカバーに文字はない。
 扉とその裏の3段組の「凡例」には頁付なし(前付)。その最後の一段を抜いて置く。

 なお、本書の先行文献としてすでに名著/「鎌倉事典」(白井永二他編、東京堂出版)が/存在するが、それとの関連、異同について/は「あとがき」の中でふれさせていただいた。

 3段組の本文1〜207頁、索引は横組みで31頁、索引の前後に1頁ずつ白紙、最後241頁「あとがき」、その裏が奥付。
 白井永二編『鎌倉事典』にはもう触れたつもりだったがまだ上げていなかった。段組になっていない「あとがき」を見るに、白井氏編『鎌倉事典』が「八幡宮関係を初めとする専門的事項が極めて多」いので、「こうした方向をやや転じて一般的な記述に重点を置い」た、とある。白井永二(1915.12.10〜2008.1.1)は昭和48年(1973)から平成9年(1997)まで鶴岡八幡宮宮司だった。
 また「本書のもとになったものは平成一四年に一部小部数の刊行を試みたが、幸い好評であったので今回、若干の増補、改訂を施して全国版とし」とあるが、神奈川県立図書館にも所蔵がなく未見。
 「光触寺」は72頁中段にあるが塩嘗地蔵には触れていない。以下に85頁上段の「塩嘗地蔵[しおなめ/じぞう*1]」の項目を引いて置く。

十二所光触寺裏手の路傍/にある。以前は金沢道の傍にあったといわ/れ、塩売り商人が地蔵に塩を供えてから鎌倉/へ商売に行くとよく繁盛したといわれる。戻/り道で地蔵を見ると塩がなくなっている―つ/まり地蔵が塩を嘗めてくれたというところか/ら名づけられたという伝説がある。


 境内ではなく「裏手の路傍」とある。本書より新しいガイドブックは見ていないが、移転したのだろうか。それから、37頁中段「金沢道」の項にも塩のことは書いていないから、この書き方は少々不親切で、ガイドブックが金沢街道を塩の道と呼び、六浦の塩売りと呼んでいるのに及ばないように思う。

*1:割書。