瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

山下武『20世紀日本怪異文学誌』(04)

 香山滋の次に平井呈一エイプリル・フール」が取り上げられている。4月6日付「平井呈一『真夜中の檻』(18)」に疑問点を挙げて置いたが、そこでも述べたように私は怪異小説を殆ど読んでいないから、山下氏が本書で紹介している作品も殆ど読んでいない。雑誌に掲載されたきりの作品も少なくなく、そのせいか山下氏はかなり詳しい梗概を示している。それで、私も何となく分かったような気になっている。それ以上追究しようという気持ち(というか余裕)はないので、本書を一読して、気付いた疑問点を挙げるまでなのである。
 「エイプリル・フール」は読んだから、まだ述べたいことがあるが、これは別に記事にする。

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・109頁10〜11行め「……「痩せて青褪めて、皮膚が弛んで皺だらけの枯枝のや/うにザラザラした手」に障って見てくれ、と言う。……*1」の「障って」は「触って」の入力ミス+校正漏れ。
・109頁19行め「それは、あの奇怪なお美代が枯枝のような手で、凝乎*2と抑えていた方の袖であった。」の「抑えて」は「押さえて」。
・115頁13行め「ドッベルゲンガー」は「ドッペルゲンガー」。
・115頁14〜15行め「エーヴェルス/の「ブラーグの大学生」」とあるが「ブラーグ」は「プラーグ」。チェコの首都プラハのこと。ドイツ語ではプラーク(Prag)。この作品は164頁6行め、239頁3行め、266頁8行めにも言及されているが「プラーグの大学生」となっている。
 バ行(濁音)とパ行(半濁音)の混乱は良くあるスキャンミスである。尤も、ワープロの50音入力でのミスの可能性もある。濁音と半濁音のキーは並んでいる故。
・136頁14行め「何なく修理に成功した」の「何なく」は「難なく」。(以下続稿)

*1:ルビ「たる」。

*2:ルビ「じつ」。