瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

山下武『20世紀日本怪異文学誌』(05)

・139頁18行め

段 沙兒 『 謎 の 二 重 体 』 泰  山  堂 昭和22/6 表題作のほか短篇五篇を含む

とあるが、138頁12行め、

 実は、『謎の二重体』は同名の短篇を巻頭に置く五篇の推理小説集であって、この三人の古くから/の関係は五番目の短篇「蜜蜂の巣箱」に至りようやく明らかになる。……

という書き方からすると、「表題作のほか短篇五篇」すなわち6篇ではなく「表題作始め短篇五篇」らしいのだが。
・141頁17〜19行め、久野豊彦(1896.9.12〜1971.1.26)について「……、日大を辞してからは知多半島に隠棲、そこで終戦を迎え/た。名古屋商科大学商学部に招聘されたのは昭和二十八年のことで、ほぼ七年間にわたる浪人生活の/間に、……」とするが、昭和20年(1945)8月の「終戦」以前から昭和28年(1953)までなら「七年間」ではなく8年以上になりそうだ。久野氏の経歴を調べれば分かることだろうが山下氏の書き方への疑問としてメモして置く。
・153頁2行め「外国ダネの翻訳臭粉々で*1」とあるが、「粉々」は「紛々」。
・153頁7行め「澁澤の「大狼都市」(キュノポリス)」の「大狼」は「犬狼」。
・158頁16行め(寺本定芳『人・泉鏡花』)とあるが「寺本定芳」ではなく「寺木定芳」。
・166頁7行め「二葉亨」は「二葉亭」。これらはスキャンミス+校正漏れだろう。(以下続稿)

*1:ルビ「ふんぷん」。