瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

夏目漱石『明暗』の文庫本(3)

ちくま文庫(3)
 『夏目漱石全集9』のカバー背表紙は一番上に「な113」とあり、「1」のところは帯状の橙色地になっている。それから「夏目漱石全集 9 明暗」とある。下部は帯に隠れて見えないが「ちくま文庫 780」とあるものと思われる。
 『明暗』のカバー背表紙は上部に「な115 明暗 夏目漱石」下部に「ちくま文庫900+税」とある。
 カバー表紙折返しの「夏目漱石(なつめ・そうせき)」の写真付の紹介文は同文、下部に『夏目漱石全集9』には「カバー装画 川上澄生」、『明暗』には「カバーデザイン 堀口豊太」とある。
 カバー裏表紙折返し、『夏目漱石全集9』は「文庫版 夏目漱石全集 第10巻(*印は既刊)」として横線を挟んで「第1巻* 吾輩は猫である/第2巻* 倫敦塔 カーライル博物館/幻影の盾 琴のそら音 一/夜 薤露行 趣味の遺伝 /坊っちゃん/……」の如く、以下は背表紙と同じく収録作品名が副題として示される。既刊は「第9巻* 明暗」までで「第10巻 小品 評論 初期の文章」は未刊。『明暗』の方は「ちくま文庫から」と題して横線を挟んで「こころ 夏目漱石夏目漱石全集(全10巻) 夏目漱石/続明暗 水村美苗/私の「漱石」と「龍之介」内田百輭漱石先生 大いに笑う 半藤一利/……」他に13点が挙がる。
 カバー背表紙、『夏目漱石全集9』は上部に横線があってその上の中央に月のマーク、右に「定価780円」とあり、下に横組み左右2段の紹介文。『明暗』は左上にバーコード2つ、右上にISBNコードとCコードに「\900E」、中央やや上に横線がありその上中央に太陽のマーク、右に「定価(本体価格900円+税)」、横線の下に横組み左右2段の紹介文。
 最初のあらすじを述べた5行は同文、3行めの読点2つを前者は半角にしているが後者は全角にして、5行め末の3点リーダが前者は2つあるのに対し後者は1つで済ませている。以下、後者では

漱石の死によって未完に終わ/ったが、彼の生涯のテーマで(以上左)/ある人間のエゴイズムとその/克服の問題を、精緻な心理解/剖とともに追求した日本近代/文学の最高傑作のひとつとい/える。読書の助けとなる詳細/な語注つき。

となっているが前者では

漱石の生涯のテーマであるエ/ゴイズムとその克服の問題が、/精緻な心理解剖とともに追及/される本書は、大正5年5月(以上左)/26日から同年12月14日まで新/聞連載され、漱石の死によっ/て中絶された遺作である。日/本近代文学の傑作を全一冊で/おくる。
若い読者の理解を助けるため/読みやすい活字で詳細な語注/を付した。
解説 吉田精一

となっていた。(以下続稿)