瑣事加減

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柳田國男『日本の昔話』の文庫本(09)

・角川文庫553(7)
 次に21頁「日本の昔話分布図」に「旧版のものを残した分」としてあるものは48箇所、以下の通り。要領は12月19日付(08)に同じ。
「猿の尾はなぜ短い」 1(出雲)→ 一(島根県松江地方。「日本伝説集」高木敏雄
「雀と啄木鳥」 3(津軽)→ 三(青森県北津軽郡松島村米田小字末広。「津軽口碑集」内田邦彦)
「鳩の孝行」 4(能登)→ 四(石川県鹿島郡。「鹿島郡誌」)
「時鳥の兄弟」 5(越中)→ 五(富山県
「時鳥と百舌」 6(紀州那賀郡)(同 有田郡)
    → 六(和歌山県那賀郡。「郷土研究」四ノ七)(和歌山県有田郡。「郷土研究」四ノ四)
「梟染め屋」 7(陸中岩手郡)→ 一〇(岩手県岩手郡平館村〔現西根町〕。「日本伝説集」高木敏雄
「鷦鷯も鷹の仲間」 9(播磨)→ 一一(兵庫県。「民族」一ノ五)
「狸と田螺」 10(紀州)→ 一二(和歌山県有田郡。「有田童話集」森口清一)
「貉と猿と獺」 11(越後)→ 一三(新潟県南蒲原郡。「越後三条郷談」外山暦郎)
「猿と猫と鼠」 12(因幡)→ 一四(鳥取県八頭郡。「因伯童話」)
「猿と蟇との餅競争」 13(越後)→ 一五(新潟県南蒲原郡。「越後三条郷談」外山暦郎)
「古屋の漏り」 95(肥後阿蘇郡)→ 一六(熊本県阿蘇郡。「日本伝説集」高木敏雄
「猿聟入り」 14(備中)→ 一七(広島県比婆郡。「民族」一ノ六)
「鷲の卵」 16(肥前杵島郡)→ 一八(佐賀県杵島郡。「民族」三ノ三)
「春の野路から」 19(陸中上閉伊郡)→ 一九(岩手県上閉伊郡。「老媼夜譚」佐々木喜善
「黄金小臼」 20(陸中江刺郡)→ 二一(岩手県江刺郡。「江刺郡昔話」佐々木喜善
「はなたれ小僧様」 21(肥後玉名郡)→ 二二(熊本県玉名郡。「旅と伝説」二ノ七)
「水蜘蛛」 23(岩代伊達郡)→ 二四(福島県伊達郡
「山父のさとり」 30(阿波)→ 二五(徳島県。「郷土研究」二ノ六)
「飯食わぬ女房」 31(陸中胆沢郡)→ 二六(岩手県胆沢郡。「胆沢郡昔話集」織田秀雄
「牛方と山姥」 32(越後)→ 二七(新潟県南蒲原郡。「越後三条郷談」外山暦郎)
「天道さん金ん綱」 33(肥後天草郡)→ 二九(熊本県天草郡。「日本伝説集」高木敏雄
「俄か入道」 36(武蔵)→ 「にわか入道」三三(埼玉県秩父郡。「秩父槻川村誌」)
「小僧と狐」 37(羽前)→ 三四(山形県最上郡豊里村〔現鮎川村〕。「羽前豊里村誌」)
「片目の爺」 38(陸中)→ 三五(岩手県上閉伊郡土淵村〔現遠野市〕。「老媼夜譚」佐々木喜善
「湊の杙」 42(三河幡豆郡)→ 三九(愛知県幡豆郡
「だんぶり長者」 46(陸中鹿角郡)→ 四三(秋田県鹿角郡。「鹿角志」)
「炭焼小五郎」 48 → 四五(大分県臼杵市。「俚謡集」)
「鶯姫」 55 → 四七(「海道記」)
「瓜子姫」 56(出雲)→ 四八(島根県。「日本伝説集」高木敏雄
「米嚢粟嚢」 57(津軽七つ石)
    → 「米ぶくろ粟ぶくろ」五〇(青森県西津軽郡鰺ガ沢町七ツ石。「津軽口碑集」内田邦彦)
「山姥の宝蓑」 58(甲斐)→ 五一(山梨県。「国民童話」石井研堂
「竃神の起り」 59(上総長生郡)→ 五四(千葉県長生郡。「南総の俚俗」内田邦彦)
「矢村の弥助」 60(信濃南安曇郡)→ 五六(長野県南安曇郡。「南安曇郡誌」)
「狐女房」 61(能登鹿島郡)→ 五七(石川県鹿島郡。「鹿島郡誌」)
「爺に金」 63 → 六〇(和歌山県有田郡。「有田童話集」森口清一)
「大歳の焚き火」 64(三河南設楽郡
    → 「大歳のたき火」六一(愛知県南設楽郡。「旅と伝説」四ノ四)
「笠地蔵」 65 → 六三(岩手県江刺郡。「江刺郡昔話」佐々木喜善
「団子浄土」 66(羽前最上郡)→ 六八(山形県最上郡)
「奥州の灰まき爺」 68(陸中江刺郡)
    → 「灰まき爺」七一(岩手県江刺郡。「江刺郡昔話」佐々木喜善
「狐の恩返し」 72(津軽五所川原
    → 七六(青森県北津軽郡五所川原町〔現五所川原市〕。「津軽口碑集」内田邦彦)
「聴耳頭巾」 73(陸中上閉伊郡
    → 七八(岩手県上閉伊郡土淵村〔現遠野市〕。「老媼夜譚」佐々木喜善
「黒鯛大明神」 75(土佐)→ 七九(高知県
「海の水はなぜ鹹い」 69(陸中上閉伊郡
    → 「海の水はなぜからい」八三(岩手県上閉伊郡。「老媼夜譚」佐々木喜善
「分別八十八」 92(陸中上閉伊郡
    → 八五(岩手県上閉伊郡土淵村〔現遠野市〕。「老媼夜譚」佐々木喜善
「二反の白」 93 → 八六(長野県南安曇郡
「仁王とが王」 90 → 八七(長野県南安曇郡
「鳩の立ち聴き」 97(上野吾妻郡)→ 「鳩の立ちぎき」九四(群馬県吾妻郡。「吾妻郡誌」)
 昭和五年版の69・90・95番めの収録位置が動いている他は、改訂版でもそのままの順序で収録されている。「六 時鳥と百舌」は実は2箇所だが近接しているので図には「6」は1つだけである。(以下続稿)