瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

森鴎外『舞姫』の文庫本(10)

・角川文庫14206『鴎外の「舞姫」』(2)
 2012年9月20日付(6)の続き。
 当時見ていなかった初版(平成十八年四月二十五日初版発行)を見た。四版(平成二十一年七月二十日四版発行)と比較しつつメモして置く。頁数と定価は同じ。
 カバーは表紙のみ一致。
 カバー背表紙、初版は最上部QRコードのところのみ白地、以下は淡い桃色地で、上部にゴシック体で「QRコード|SP|144|Y590| 角川書店 」灰色の葉のマークがあって楷書体で標題、右脇に楷書体で小さく「ビギナーズ・クラシックス 近代文学編」と添える。下部に茶色の角切長方形に淡い桃色のゴシック体で「角川ソフィア文庫」とある。四版は最上部のみ白地で「に白抜き「C」、以下は淡い黄色地で「 角川書店」ここまでの文字はゴシック体。少し空けて明朝体で「〈ビギナーズ・/クラシックス近代文学編〉鴎外の「舞姫」」とある。最下部にゴシック体で「角川ソフィア文庫」とある。
 カバー表紙折返し、初版は最下部右寄せでゴシック体「カバー/谷口広樹」とあるのみで、2012年9月20日付(6)で問題にした略伝などはない。
 カバー裏表紙、レイアウトは同じ。左上のバーコード2つは一致。その下のISBNコードが初版は10桁で下1桁「-2」、四版は13桁でバーコード1つめの数字と一致、下1桁「-8」。2行め「C0193 \590E」と3行め「定価本体590円(税別)」。右上に横組みゴシック体の紹介文、初版は2段落に分かれている。まず1段めを引いてみよう。

19世紀末、エリート官僚太田豊/太郎は、明治新政府の期待をに/なって先進国ドイツに派遣され/た。自由な気風みなぎる大都会/ベルリンで、自我に目覚め孤立/した豊太郎は、寂れた裏町で美/しい踊り子エリスと出会う。や/がて恋に落ちた二人に訪れる悲/しい運命。


 四版は7行めまで同じ、なお1行めの数字と読点が初版では2/3字分の幅になっていたのを、ここでは四版と同様に入力して置いた。四版の8行め以降は次のようになっている。

/がて恋に落ちた二人に悲しい運/命が訪れる――。鴎外の留学体/験を基に書かれた浪漫派の名作/『舞姫』を、分かり易い通釈、/格調高い雅文体原文(ふりがな/付き)の両方で味わえる。鑑賞/に役立つ図版・コラムも満載。


 二重鉤括弧の1つめは半角。初版の2段めは次のようになっている。

鴎外自身の留学体験を基に書か/れた浪漫派の名作『舞姫』が、分/かり易い通釈、格調高い雅文体/原文(総ルビ付)の両方で味わえ、鑑/賞に役立つ図版・コラムも満載。


 カバー裏表紙折返し、初版は横組みで上部に太字の明朝体で「ビギナーズ・クラシックス近代文学編」とあって二重線(4.1cm)、以下ゴシック体太字で「一葉の「たけくらべ漱石の「こころ」藤村の「夜明け前」鴎外の「舞姫」、最下部左寄りに小さく「カバー 泉文社」右下にKBマーク。四版はゴシック体で「角川ソフィア文庫|ビギナーズ・クラシックス近代文学編 || 鴎外の「舞姫」/一葉の「たけくらべ」/漱石の「こころ」/芥川龍之介の「羅生門」「河童」ほか6編/藤村の「夜明け前」」とあって右下にKBマーク。
 本体、1頁(頁付なし)扉は初版の印刷が薄いが同じ。以下、6〜14頁「目 次(あらすじ目次)」を見る限りでは、以下205頁まで異同はない(ようである)。奥付の前は白紙、裏は「角川文庫発刊に際して」。
奥付の異同は四版の発行日が追加されていること、「製本所」初版「――BBC」が四版「―本間製本」に、初版「落丁・乱丁本はご面倒でも角川書店受注センター読者係にお/送り‥‥」が四版「落丁・乱丁本は角川グループ受注センター読者係にお送/り‥‥」、匡郭下辺の下、初版「角川ソフィア文庫 144    ISBN4-04-357414-2 C0193」が四版「SP  C-1-1       ISBN978-4-04-357414-8 C0193」。