瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

中島京子『小さいおうち』(1)

 2013年12月21日付「赤いマント(61)」に示した書影では、単行本と文庫版の地色が違うように見えるが、実物を並べて見るに同じである。但し単行本のカバーは布目であるのに対し、文庫版のカバーはコート紙で、その違いが写りの違いになっているのかも知れない。
文庫版】2012年12月10日第1刷・定価543円・348頁
 カバー表紙は単行本をそのまま縮小したもので、追加されたのは下部中央に横組みゴシック体で入っている「文春文庫」のみ。
 なおAmazon詳細ページでは単行本・文庫版ともに「なか見!検索」で単行本の第一刷の一部を閲覧出来る。第四刷・第七刷との異同は、奥付に第四刷・第七刷の発行日が追加されているのみのようである。
 単行本のAmazon詳細ページでは「第143回直木賞受賞作!」の帯の掛かった書影も閲覧出来る。
 扉は単行本は橙色にて、右上に表紙や挿画と同じ手になる花が2つ、左下にカバー表紙と同じ字体で著者名/標題、右下に小さく横組みゴシック体で「文藝春秋」。単行本の扉は白地の半透明の紙なので3頁「もくじ」が透けて見えている。文庫版は文春文庫の扉で、頁付はないがここが1頁。
 単行本1頁・文庫版3頁「もくじ」(頁付なし)は同じレイアウトで、異同はそれぞれの章の頁数が違う他に「対談 中島京子×船曳由美    341」が追加されている。
 その裏(頁付なし)は下部に下寄せで小さく「装画 いとう瞳 /装丁 大久保明子」2行分空けて「初出 「別册文藝春秋」第二七八号〜第二八五号」文庫版ではさらに2行分空けて「単行本 二〇一〇年五月 文藝春秋刊     」とある。
 単行本3頁・文庫版5頁は飾り枠のある中扉(頁付なし)で中央に明朝体縦組みで標題。文庫版は縮小。
 単行本5頁・文庫版7頁から頁付がある。章題は単行本は3行取りの太線の枠に明朝体太字で入っていた。枠の前に1行分空白。次いで節番号が3行取り5字下げの算用数字で入っている。文庫版では枠はなく4行取り2字下げゴシック体で章題、3行取り5字下げのゴシック体算用数字で節番号。
 本文は単行本1頁18行、1行43字。文庫版1頁18行、1行39字。
「第一章 赤い三角屋根の洋館」単行本5〜40頁16行め・文庫版7〜45頁7行め、「第二章 東京モダン」単行本41〜77頁16行め・文庫版46〜85頁7行め、「第三章 ブリキの玩具」単行本78〜113頁13行め・文庫版86〜124頁3行め、「第四章 祝典序曲」単行本114〜150頁8行め・文庫版125〜164頁6行め、「第五章 開戦」単行本151〜191頁2行め・文庫版165〜307頁7行め、「第六章 秘策もなく」単行本192〜232頁3行め・文庫版208〜249頁13行め、「第七章 故郷の日々」単行本233〜271頁18行め・文庫版250〜290頁18行め、「最終章 小さいおうち」単行本273〜319頁12行め・文庫版291〜340頁17行め。
 このうち「もくじ」では最終章のみゴシック体、他は明朝体太字。本文では最終章のみ扉がある。文庫版にも扉があってイラストは踏襲するが枠はない。裏は白紙。
 単行本は319頁の裏が奥付で目録類はない。文庫版は続いて341〜348頁17行め「対談 中島京子×船曳由美/私たちと地続きの時代の物語」がある。最後の行(348頁17行め)に下寄せで「対談まとめ/石井千湖(書評家)」とある。この対談は文庫版カバー裏表紙の右上に、上下を横線で挟まれた明朝体10行(1行15字)の紹介文の10行めに「/著者と船曳由美の対談を巻末収録。」とあった。
 続いて奥付、その裏の見開きは目録「文春文庫 小説」で1頁7点、最後の頁は「[ 文春文庫 最新刊 ]」で2段組、1段10点で本書は上段の2点め。
 文庫版のカバー裏表紙折返しは横組み明朝体で上部に「|文春文庫|中島京子の本|小さいおうち」、下部に「イラスト・いとう瞳/デザイン・大久保明子」とある。
 単行本のカバー折返しは濃い橙色。
 文庫版のカバー表紙折返しに横組みで「|著者紹介|中島京子(なかじま・きょうこ)|」として明朝体14行の紹介文がある。これは単行本の奥付の上部に「中島京子(なかじま・きょうこ)」に縦組み明朝体9行で入っているものと前半はほぼ一致。異同は単行本1行め「一九六四年」→文庫版1行め「1964年」、2行め「〇三年」→2行め「2003年」、3行め「〇六年」→3行め「06年」、3行め「〇七年」→4行め「07年」、4行め「〇八年」→5行め「08年」、5〜6行め「となるなど、高い評価を受/けている。」→7〜8行め「/に。10年『小さいおうち』で第/143回直木賞を受賞。」。以下「著書に」として単行本5点、文庫版は7点、共通するのは『平成大家族』『女中譚』。単行本にはその前に『さようなら、コタツ』『ツアー1989』『桐畑家の縁談』があり、文庫版はその後に『エルニーニョ』『花桃実桃』『東京観光』『眺望絶佳』『のろのろ歩け』があり、続いて「など。ほかエッセイ集に『ココ・マッカリーナの机』」は同じ、単行本は「/がある。」で終わっているが、文庫版は「、訳書に『地図集』(著・/董啓章、共訳・藤井省三)がある。」と、訳書1点が追加されている。
 これ以外の異同等は他の刷などを見て後に述べることとする。(以下続稿)
追記】以上は1月上旬に準備して、その後、映画の公開もあって手許に単行本と文庫版とを揃えて置けなかったのでそのままにしていたが、最近揃えられるようになり続きも書けそうなので、上げることにした。