瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

『水辺の怪談――釣り人は見た』(3)

 11月27日付(2)の続き。
 これまでカバーの比較をして来たが、内容について比較して置こう。
 さて、『水辺の怪談 最恐伝説』と『水辺の怪談』『水辺の怪談2』の関係であるが、『水辺の怪談 最恐伝説』のカバー表紙の左側に明朝体太字縦組みで、

『水辺の怪談』『水辺の怪談2』選りすぐった/コワ〜イ、世にも不思議な話を再収録!/初登場の書き下ろし体験談とともに送る、/最恐のアンソロジー…。

とあり、奥付(文字は全て横組み)には上部に、明朝体で次のように示されている。句読点と括弧は2/3字分。

本書は小社既刊『水辺の怪談』『水辺の怪談2』から特/に恐い、不思議な話を選りすぐり再収録したものです。/作者のプロフィールを一部改めましたが、作品は当時の/ものです。なお、刊行にあたり書き下ろし作品「焚き火/の炎に浮かび上がる悪夢」「冥府の扉が開く時」を新た/に加えました。


 ちなみに『水辺の怪談 最恐伝説』はAmazon詳細ページのなか見!検索にて、背表紙以外のカバーに見返し・目次・奥付に1話めの全部と2話めの1頁めが閲覧出来る。
 それではまず、『水辺の怪談 最恐伝説』に収録されている話を眺めて置こう。目次を見ても分かるように「海の章」と「川・湖の章」に分かれているが、まずは前者から。
「海の章」
・浜田直樹「お盆に海釣りをすると……」6〜10頁(16行め)←『水辺の怪談』18〜23頁(3行め)
 『水辺の怪談』には作者のプロフィールがない。『水辺の怪談 最恐伝説』にて追補されたものである。
 『水辺の怪談』21頁挿絵→『水辺の怪談 最恐伝説』9頁、若干縮小。
・佐藤祐太「「あーっ、あーっ、ウォ―――ッ!!」」11〜17頁(10行め)←『水辺の怪談2』11〜16頁(16行め)
 『水辺の怪談2』の目次では「ウォ―――――ッ!!」と長音が4.5字分であったのが『水辺の怪談 最恐伝説』では2.5字分に縮められている。本文の題は『水辺の怪談2』は古印体、『水辺の怪談 最恐伝説』は明朝体太字でそれぞれ4字分、後者は「ウ」から改行して2行に示している。
 本文では『水辺の怪談2』14頁4行め、『水辺の怪談 最恐伝説』14頁3行めとも、

「あーっ、あーっ、ウォ―――――ッ!」

となっており長音は5字分である。
 プロフィールは同文(4行)だが改行箇所が異なる。
 挿絵、『水辺の怪談2』は16頁左上(縦24字分・横13行分)→『水辺の怪談 最恐伝説』16頁、若干拡大。
・工藤孝浩「父島の洞窟でみたもの」18〜24頁(7行め)←『水辺の怪談』24〜29頁(16行め)
 挿絵、『水辺の怪談』28頁左(8行分)→『水辺の怪談 最恐伝説』22頁、拡大。なお、挿絵は全体として『水辺の怪談 最恐伝説』再録に際して若干薄くされており、このイラストの場合、『水辺の怪談』では影になって殆ど判別できなくなっていた兵士の左目が、明確に識別される。
・土肥健一(仮名)髪の毛」25〜32頁(10行め)←『水辺の怪談』6〜13頁(1行め)
 挿絵、『水辺の怪談』13頁左(10行分)→『水辺の怪談 最恐伝説』31頁左(14行分)、拡大。これをさらに部分拡大したものが、11月26日付(1)に示した『水辺の怪談』カバー表紙のイラストである。
・平岩孝典「磯釣りマン自殺名所夜釣ノ心得」33〜37頁(9行め)←『水辺の怪談2』6〜10頁(10行め)
 『水辺の怪談 最恐伝説』では題を「磯釣りマン」で改行して2行に示す。
 プロフィールは一致。
 挿絵、『水辺の怪談2』9頁→『水辺の怪談 最恐伝説』36頁、若干縮小。(以下続稿)