瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

正岡容『艶色落語講談鑑賞』(16)

 『艶色落語講談鑑賞』の目次は6月27日付(03)に示したが、このうち「艶色落語講談鑑賞」は『正岡 容集覧』と『完本正岡容寄席随筆』に、「わが寄席青春録」は『正岡 容集覧』には「続わが寄席青春録」及び「拾遺わが寄席青春録」とともに収録され、河出文庫『寄席囃子 正岡容寄席随筆集』には「わが寄席青春録」と「続わが寄席青春録」が収録されている。「売色ところ%\」と「恵陽居艶話」は河出文庫『寄席囃子 正岡容寄席随筆集』に収録されたが、省略されていた「朝鮮烏羽玉譜」と「芸苑怪異談集粋」の本文を当ブログに紹介して見た。吉井勇「艶色落語講談鑑賞序歌」と作者「序」、永井啓夫「跋――師 正岡 容のことども――」は『完本正岡容寄席随筆』に収録されている。
 すなわち、今は『正岡 容集覧』に再録されるのみの「拾遺わが寄席青春録」が、一番読みにくくなっていることになる。
 なお『完本正岡容寄席随筆』には、図版として収録した本の挿画や書影等が示されているが、299頁「第四章 艶色落語講談鑑賞(抄)」扉の右下に「初版本扉 伊藤晴雨 画」が載る。初版本では緑の鮮やかなカラー印刷である。この扉絵の前に、同じく和紙の見返し遊紙、扉絵の次にアート紙の口絵があって、上半分に写真、下半分に明朝体縦組みで説明、

市 川 鈴 本 に て
  寄 席 囃 子 傳 習 眞 景*1
 
   右 よ り
    後 繼  永 井 啓 夫
    八代目  林 家 正 藏
         著     者

とあるが、この写真は468頁上段に、下に「市川鈴本にて 寄席囃子伝習真景 右より 後継 永井啓夫/八代目 林家正蔵林家彦六〕 著者」*2とのキャプションを附して掲載してあるが、もとの本のどこにあったかの注記がない。
 『完本正岡容寄席随筆』303頁左上に「初版本函」の写真が載る。私の見ている本には函はないが、本体表紙にも同じ位置に縦組みで同じ横長文字の標題がある。本体表紙の書影でなく函を示したのは、地に模様がないからで、本体表紙は赤い地紙に薄い和紙を左が上の雫型に鱗のように貼り付けたような模様となっている。丸背の背表紙にはこの模様はなく、上部にやや横長の赤字で標題、下部にやはり赤で小さく「正 岡 容 著」とある。(以下続稿)

*1:口絵説明は本字で「習」も本字だが新字にて代用。

*2:「編者注」の山括弧〔 〕は半角。