瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

山岸凉子『妖精王』(12)

 1月15日付「山岸凉子『妖精王の帰還』(1)」に紹介した『妖精王の帰還』は、その標題からしても『妖精王』と対照するべきなのだけれども、1月16日付「山岸凉子『妖精王の帰還』(2)」等にて『アラベスク』完全版との対応を確認したのみであった。
 そこでまず、4月14日付(05)に触れた、花とゆめCOMICS『妖精王』第2巻のカバー裏表紙折返しと裏表紙のカットであるが、18頁に掲載されるイラストに描かれる6人の妖精(但しうち2人は脚が見えるのみ)のうち2人であった。「●初出一覧・コメント」の102頁22〜24行めに、

14. 落ちてくる妖精
p.18 「花とゆめ」1978年1号(1月5日号・第10回) 363×255
◇この絵では本来、上部の妖精の衣服はめくれていないといけないのですが、そのままの形にしています。黒い部分は墨で一生懸命塗っていますね。

とある。裏表紙折返しのカットは、原画の右側に描かれる妖精で、頭から水面に落ちていく全身が描かれている。すなわち単行本のカバーカットでは上下をひっくり返して頭が上になるようにしている。裏表紙のカットは左下部の水に浸かった妖精で、髪の毛が立っており左腕を挙げていることが原画によって判明する。2人とも、カットの方が『妖精王の帰還』掲載の原画よりも血色が良い。
 それから、5月18日付(07)に触れた、あすかコミックス・スペシャル/山岸凉子全集20『妖精王3』の2頁のイラストであるが、『妖精王の帰還』12〜13頁見開きに(横転させずに)収録されている。「●初出一覧・コメント」の102頁1〜3行めに、

09. 白雲の妖精
p.12-13 「花とゆめ」1977年11号(6月5日号・第2回) カラーボード・362×515
◇カラーのボードに描いています。若干退色して白い髪が浮いたようになってしまっていたので、白を抑え気味にしました。

とある。確かに『山岸凉子全集20』掲載のものの方が、3人の妖精の雲のような髪の白さははっきり出ているように思われる。(以下続稿)、