幽クラシックス『昭和の怪談実話ヴィンテージ・コレクション』に収録されている図版について、確認して置こう。昨日紹介した下書き(2014年4月2日)でも、入力するつもりで空白にしていたが、そのままになっていた。
10〜11頁見開きカラー図版は、11頁下左にゴシック体白抜き横組みでごく小さく「『古今怪異百物語』函(© 宮尾しげを記念會)」とあり、11〜10頁最下部に明朝体白抜き横組みで小さく「怪談同好会編 昭和五年四月二十一日 博文館(東京市日本橋区本石町)発行 百話を収録」以上11頁、10頁左詰めで「装幀・装画=宮尾しげを 口絵・挿絵画家の記載なし」とある。
12〜13頁見開きカラー図版は、13頁下左にゴシック体白抜き横組みでごく小さく「『古今怪異百物語』見返し(© 宮尾しげを記念會)」とある。
14頁と15頁のカラー図版*1については昨日の記事にも述べたが、それぞれの図版下左にゴシック体白抜き横組みでごく小さく「『古今怪異百物語』挿絵」とあり、少し空けて本文から関係箇所を2行ずつ引いている。
16頁のカラー図版下左にゴシック体白抜き横組みでごく小さく「『古今怪異百物語』口絵」とある。この絵について昨日付の記事に引いた東雅夫「編者解説」には「寝床で折り重なる美男美女」とあるが、男は目を閉じて伏せっているが、女の方は起き直って「二体の亡霊」に怯える様子である。なお亡霊と美男の男計3人は月代を剃っており、江戸時代という設定で描かれていることが分かる。
東雅夫「編者解説」に言及されていた「表紙」の「曼珠沙華」は収録されていない。
東雅夫『百物語の怪談史』では、135頁(頁付なし)「第四章/近代文学史と百物語」に、函の三ツ目入道のモノクロ図版があって下に明朝体横組みで「『古今怪異百物語』書影」とある。そして同じ章の243頁8行めに「『古今怪異百物語』のこと」とあって、9行めから246頁1行めまでに解説がある。うち、昨日付に引いた部分に対応する箇所を抜いて置こう。244頁7〜11行め、
三ツ目入道の口から吐き出される妖気に乗って、燭台や提灯、櫛や枕、包丁や急須の器*2/怪たちがわらわらと群がり出る函絵と、骸骨たちの葬礼を描いた見返しは、宮尾しげをの*3/筆になるものとおぼしい。表紙には死人花の異称をもつ曼珠沙華が描かれ、寝床で折り重*4/なる美男美女を二体の亡霊が見下ろしている光景を描いた折込彩色口絵が付されている。/また本文中にも挿絵多数を含む贅沢な造本の一巻である。*5
この部分、『昭和の怪談実話ヴィンテージ・コレクション』の「編者解説」は、宮尾しげを(1902.7.24〜1982.10.2)について「漫画家・江戸風俗研究家として知られた」との紹介を足し、さらに口絵について「(画家名の表記なし)」としている。これはアンソロジーに再録するに当たって権利関係の処理をしたことによる追加であろう。そういえば「編者解説」(206〜217頁)と奥付の間の頁、中央の双郭に5行と4行の断り書があるのだが、前半5行は「不当・不適切な語句や表現」について、そして1行空けて後半4行には、
原典で使用された装画・挿画を本書に収録するにあたり、編集部では著作/権継承者に出来うるかぎり許諾をいただくよう努めましたが、一部権利者が/不明のものがありました。権利者、もしくは権利者の連絡先等を御存知の方/は編集部まで御一報いただきたくここに記します。
とある。……私から編集部に連絡しようとは思わないけれども、もし編集部でこの記事に気付いたら、神保氏の遺族に連絡して下さい。(以下続稿)