瑣事加減

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筒井康隆『時をかける少女』(2)

大林宣彦監督映画(1)
 原田知世主演*1、昭和58年(1983)7月16日公開。

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サウンドトラック
時をかける少女

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・パンフレット
・雑誌
キネマ旬報 1983年7月下旬号

キネマ旬報 1983年7月下旬号

 初めて見た。いろいろと注目すべき点がある。それは追々述べることにして、4月6日付(1)にも触れた、これまで見ずに済ませて来た理由をもう少し詳しく述べて置く。
 まず第一に、私が流行物に余り心を惹かれない性格だったということが挙げられる。――みんなが見ているものを、わざわざ私が割り込んで見る必要はない、と思ってしまうのだ。大林宣彦(1938.1.9生)の映画を見るのも、実は初めてである。それから、主役の原田知世(1967.11.28生)に全く魅力を感じなかったということがもう1つの大きな理由である。
 私はそもそもアイドルに惹かれないのだけれども、それは好きになってもどうにもならないし、笑ったとか目が合ったとか云ったところで営業であって誰にでも笑っているのだから、何でそんなことできゃーきゃー言って喜ばなきゃいけないのか、さっぱり分からなかったのである。そういえば父や兄は薬師丸ひろ子(1964.6.9生)が好きだったらしい(父が曲の懐かしい感じが良いとか言って、当時高校生だった兄に情報を求めていた)が、原田氏についてはどう思っていたのだろう? 3歳年上の兄と同学年の元同僚は、原田知世のファンだと言っていたっけか。
 実は、私は原田氏の映画撮影現場を見たことがある。当時からメモ魔だった私は、その一部始終を書き留めて置いたのだが、俄に出てこない。記憶も怪しくなって来たから、あやふやなまま書くのは控えて置く。――昭和60年(1985)4月に『早春物語』撮影現場に偶々行き合わせて、しばらく見ていたのである。
 しかし、正直な感想として、原田氏に全く魅力を感じなかった。男の子のようであった。演技も下手であった。この『時をかける少女』DVD*2の特典映像の大林監督インタビュー「大林宣彦監督に聞く」(18:59)の「Q4/男優陣「高柳良一」「尾美としのり」さんへの強い思いいれがあるとお聞きしていますが?」(09:41〜12:24)にて、大林氏が深町一夫(偽者)に扮した高柳良一(1964.1.31生)の演技について「まぁこれは言ってみればもう台詞も棒読みでも良いという……そういうあのー、棒読みの台詞ってねぇ、その時代から、下手な台詞だと言われるようになったんですが実はこれは映画の古典的な、話法なんですよね。つまり、物語の骨組みをきちんと伝えるために、綺麗な発声で、伝えるというね、だから日常的な演技というものとはちょっと違う役割を持つというのが、主役の立場でもある訳ですよね*3」と語っている(10:19〜48)けれども、確かにこういう演出にしなかったら、とても見られたもんじゃなかっただろう。
 それはともかく、そもそも原田氏のことを認識していなかったので、長らく誰だか分からなかったくらいである。公開された『早春物語』も見ていない。スタッフが「早春物語」と書いた脚本か宣伝パンフレットか何かを持っていたので、作品名はその場で分かったのだけれども。
 相手役の林隆三(1943.9.29〜2014.6.4)は、その夏に放映された銀河テレビ小説たけしくん、ハイ!」で主人公西野たけしの父を演じていたので、『早春物語』公開前にそれと分かったのだけれども。(以下続稿)

*1:11月29日追記】投稿当初ここに「大林宣彦監督、」と入れていたが「映画(1)」の前に移した。新作映画に関心のない私からすると『時をかける少女』の映画と云えば大林宣彦監督作品を指すのだけれども、知らぬ間に4月6日付(1)に言及した角川春樹監督作品以下3作品が作られていた。

*2:私が見たのは2004年の「レンタル専用」盤。

*3:2019年8月20日追記】今年に入って、小津安二郎監督の映画を何本か見て、この「話法」を堪能(?)したのであった。