瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

芥川龍之介『侏儒の言葉』の文庫本(2)

新潮文庫1810『侏儒の言葉西方の人』(2)
 8月25日付(1)の続きで②について、主として五十二刷と六十刷とを比較しつつ記述して見る。
 カバー表紙は一致。
 カバー表紙折返し、右下に縦組みで「カバー 高松次郎」とあるのは同じ、上部に上下を横線(4.4cm)で挟んだ間(2.8cm)、右側に顔写真、左側は上寄せで横組み「芥川龍之介Akutagawa Ryûnosuke/(1892―1927)」とあって、五十二刷は

東京生れ。東京帝大英文科卒。在学/中から創作を始め、短編「鼻」が夏/目漱石の激賞を受ける。その後今昔/物語などから材を取った王朝もの/「羅生門」「芋粥」「藪の中」、中国の/説話によった童話「杜子春」などを/次々と発表、大正文壇の寵児となる。/西欧の短編小説の手法・様式を完全/に身に付け、東西の文献資料に材を/仰ぎながら、自身の主題を見事に小/説化した傑作を多数発表。'25年頃よ/り体調がすぐれず、「ぼんやりとした/不安」のなか、薬物自殺。「歯車」「或/阿呆の一生」などの遺稿が遺された。

とある。六十刷は末尾だけ違っていて、次のようになっている。

‥‥。'25(大正/14)年頃より体調がすぐれず、「ぼん/やりとした不安」のなか、薬物自殺。/「歯車」「或阿呆の一生」などの遺稿/が遺された。


 カバー裏表紙折返し、五十二刷は2014年3月31日付「芥川龍之介『杜子春』の文庫本(2)で見た新潮文庫1806『蜘蛛の糸杜子春』②五十三刷・五十五刷に同じで、六十刷は新潮文庫1806『蜘蛛の糸杜子春』②五十九刷に同じ。六十三刷は「芥川龍之介の本」7点の下に「*」を打って「新潮文庫/文豪ナビ 芥川龍之介」を追加、六十五刷・六十六刷・六十八刷も同じ。
 カバー背表紙、最下部が五十二刷「360」に太い下線、六十刷は「\362」。
 六十刷と六十三刷と六十五刷、カバー表紙・表紙折返し・背表紙は一致、六十六刷・六十八刷のカバーは六十五刷と一致*1
 カバー裏表紙、バーコード1つめは一致するが2つめは五十二刷が「1910195003603」であったのが六十刷は「1920195003626」となっており、その下も五十二刷が「定価360円(本体350円)」であるのが六十刷は「定価本体362円(税別)」となっている。右上の紹介文は一致、横線の下、1行めのISBNコードは五十二刷・六十刷・六十三刷「ISBN4-10-102507-X」六十五刷・六十六刷・六十八刷「ISBN978-4-10-102507-0」、2行めは五十二刷が「C0195 P360E」であったのが六十刷は「C0195 \362E」となっている。
 本体、目録2頁めまで一致、1頁めは全て「芥川龍之介著」2頁目は全て「谷崎潤一郎著」。3頁めは五十二刷では全て「井伏鱒二著」であったが、1点めの「多甚古村」が六十刷では「山本周五郎著」の「雨のみちのく・  /  独居のたのしみ」に差し替えられ、6点めは五十二刷「かきつばた・無心状」が六十刷では「釣 師・釣 場」に差し替えられていたのがさらに六十三刷で「小川未明 小川未明童話集」に差し替えられてしまった。4頁めは五十二刷は全て「川端康成著」で「雪 国/ノーベル文学賞受賞」「伊豆の踊子」「掌の小説」「山の音/野間文芸賞受賞」「千羽鶴」「眠れる美女」であったが六十刷では「梶井基次郎 檸 (れもん) 檬」「菊池 寛著 藤十郎の恋・/   恩讐の彼方に」「倉田百三 出家とその弟子」「深沢七郎 楢 山 節 考/中央公論新人賞受賞」「岡本かの子 老  妓  抄」「宇野千代 お  は  ん/野間文芸賞受賞 女流文学者賞受賞」となっており以下の刷でも一致する。すなわち六十三刷・六十五刷・六十六刷・六十八刷の目録は一致*2。5〜7頁め「新潮文庫最新刊」。
 奥付の異同、それぞれの発行日。他に「発行者」が五十二刷は「佐藤亮一」であったが六十刷は「佐藤隆信」になっている。また六十刷では2行分の空白になっている箇所の右側に、五十二刷は「振  替 〇〇一四〇―五―八〇八」があり、六十三刷ではHPアドレスが入っている。最下部の横組みの箇所、六十刷以降はISBNコードがカバー裏表紙と同じく五十二刷・六十刷・六十三刷は10桁で六十五刷は13桁となっていることのみであるが、五十二刷は「製本・有限会社加藤新栄社」であったのが六十刷以降は「製本・株式会社大進堂」になっている。すなわち六十五刷・六十六刷・六十八刷の異同はそれぞれの発行日のみ*3。(以下続稿)

*1:2016年5月14日追記】六十七刷も一致。

*2:2016年5月14日追記】六十七刷も一致。

*3:2016年5月14日追記】六十七刷も同じ。