瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

芥川龍之介『杜子春』の文庫本(4)

新潮文庫1806『蜘蛛の糸杜子春』(4)
 4月6日付(3)の続きで、本体の異同について。
 ②は扉から「文字づかいについて」(「六」項目)まで一致*1
 これに続く目録について、まず高松氏のカバーの諸刷を比較して見るに、②三十九刷・五十三刷・五十五刷は1頁めと3〜4頁めが一致。②五十五刷と五十九刷は1〜3頁めまで一致。1頁めは「芥川龍之介著」でカバー裏表紙折返しにある7点のうち本書を除く6点。2頁めは「志賀直哉著」5点と「横光利一著」の「機械・/春は馬車に乗って」の6点で作品名は同じだが、三十九刷では2点めに「暗夜行路/(全二冊)」とあったのが五十三刷・五十五刷・五十九刷では5点めに「暗夜行路」として1冊になっている。紹介文は一致、三十九刷の3〜5点めが五十三刷・五十五刷・五十九刷の2〜4点め*2。4頁め、三十九刷・五十三刷・五十五刷は全て「武者小路実篤著」で「友情/愛と死/真理先生/空想先生/幸福者/幸福な家族」の6点であった*3が、五十九刷は1〜3点めは一致、4点め「棘まで美し」で、5〜6点めが「遠藤周作著」で「イエスの生涯/国際ダグ・ハマーショルド賞受賞」と「沈黙/谷崎潤一郎賞受賞」、5〜7頁めは「新潮文庫最新刊*4
 奥付の異同、上部の横組みの分類番号が三十九刷「あ-1-3」と詰まっているが、五十三刷・五十五刷は「あ−1−3」となっている*5。縦組みの部分はそれぞれの発行日の他、三十九刷「電話〈業務部/編集部〉」五十三刷「電話〈営業部/編集部〉」五十五刷「電話〈編集部/読者係〉」となって、下4桁が「編集部」は「五四四〇」、「業務部」→「営業部」→「読者係」は「五一一一」、市外局番(〇三)の次が三十九刷は「二六六」であるが五十三刷・五十五刷は「三二六六」になっている*6。次の行、三十九刷・五十三刷「振 替 東 京 四 − 八 〇 八 番」が五十五刷「振  替  〇〇一四〇―五―八〇八」、そして縦組み部分の最後の送付先が三十九刷「小社通信係宛」から五十三刷・五十五刷「小社読者係宛」に変わっている*7。下部の横組みの部分、「印刷・二光印刷株式会社」は一致、三十九刷はその前に「○」に「二」。同じ行の右、三十九刷・五十五刷「製本・株式会社植木製本所」*8。、五十三刷「製本・株式会社 大 進 堂」。五十五刷と五十九刷の異同は発行者と郵便番号3桁から7桁となっているところで、他は一致*9。(以下続稿)

*1:10月24日追記】②四十九刷は(②五十三刷に比して)刷りりむらがある。

*2:10月24日追記】②四十九刷は②三十九刷に同じ。【2016年7月15日追記】②四十六刷も②三十九刷に同じ。但し2頁めの下辺の右端が0.1cm切れて右辺に接しておらず、左辺の下端も0.1cm切れて下辺に接していないが、②三十九刷では繋がっていた。②三十九刷では2〜3点め下の下辺が0.1cm強、切れている。②四十六刷は他にも3頁め3〜4点めの上の上辺が0.1cm、4頁めの3〜4点めの下の下辺が0.1cmとさらに狭く2箇所、切れているが、②三十九刷では繋がっている。3頁めの切れ目は線の印刷が濃いので目立つ。

*3:2016年3月29日追記】五十七刷は3頁めまで五十五刷に一致。4頁めは全て「武者小路実篤著」だが4〜5点めが「棘まで美し/若き日の思い出」となっている。

*4:2017年4月21日追記】②四十刷は(このメモと対象させる限りでは)匡郭の切れ目も含め②三十九刷に同じ。

*5:10月24日追記】②四十九刷は五十三刷に同じ。【2016年7月15日追記】②四十六刷は②五十九刷に同じ。【2017年4月21日追記】②四十刷の奥付はここが②五十三刷・五十五刷に同じく「あ−1−3」となっている他は②三十九刷に(このメモの限りでは)一致する。

*6:10月24日追記】②四十九刷は「業務部」で「三二六六」。【2016年7月15日追記】②四十六刷は②三十九刷に同じ。

*7:10月24日追記】②四十九刷は三十九刷に同じ。

*8:10月24日追記】②四十九刷は五十五刷に同じ。【2016年7月15日追記】②四十六刷は②三十九刷に同じ。

*9:2016年3月29日追記】「発行者」が五十五刷は「佐藤亮一」であったが五十七刷では「佐藤隆信」に変わっている。また五十五刷「郵 便 番 号      一 六 二」が五十七刷「郵 便 番 号   一六二―八七一一」に変わっている。すなわち五十七刷の奥付は、それぞれの発行日以外は五十九刷に一致するようだ。