瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

松本清張『点と線』(07)

・光文社創業60周年記念出版【ミステリーの原点 名著初版完全復刻】(3)
 本体はほぼそのまま初版を再現しているらしく、最後に新たに2頁追加しているのみのようだ。すなわち、表には横組みの復刻版の奥付、裏は下部中央に明朝体縦組みで小さく「本書は、昭和三十三年小社刊行『点と線』初版の完全復刻版です。」とある(二重鍵括弧は半角)。
 さて、私の手許には今、初版完全復刻版が2冊あって、1冊は初版再現カバーが帯のない状態で掛かり、もう1冊には復刻版のカバーが掛かっている。そして後者の表紙見返しに初版再現カバーが初版帯が掛かった状態で織り込まれているのだが、前者の表紙見返しには、アート紙(12.8×36.5cm)を8頁分に折ったものが挟まれている。
 その内側は郷原宏「社会派推理の/原点にして/原典」という解説で、11.5×8.3の赤線の角切長方形の枠が4つ並び、枠ごとに縦組み16行、1行38字で組まれ、枠の下、中央に赤の算用数字で右から「2」そして左端は「5」と、頁付が入っている。すなわち、外側の左側半分には、縮小され下部と右端が省略されたカバーと同じ絵が刷られているが、その左端、表紙に当たる部分が、頁付はないが1頁になる勘定なのである。この表紙には中央上部に縦組みゴシック体白抜きで「光文社創業60周年記念出版」中央やや上に横組みでカバー表紙と同じ文字で(縮小はされているが)「長編推理小説/点と線」と中央揃えで入れ、その下に縦組み明朝体白抜きで「付録 初版完全復刻版 解説」とある。その右は頁付はないが8頁に当たる裏表紙で、中央を白く抜いて(9.7×3.6cm)奥付としている。縦組みで、上から3.5cmのところを赤線で仕切ってその上、右端に「長編推理小説点と線付録」とあって標題は明朝体太字、他はゴシック体。中央には明朝体で「初版完全復刻版 解説 」とあり、赤線の下には「著者  松本清張/解説  郷原 宏/発行者  並河 良/印刷所 慶昌堂印刷/製本所 牧製本/発行所 株式会社光文社/    〒一一二ー八〇一一 東京都文京区音羽一ー一六ー六/    電話 広報室 〇三ー五三九五-八一四六/       販売部 〇三ー五三九五-八一一四/       業務部 〇三ー五三九五-八一二五」とある。
 外側の右半分、折った形では一番内側に来る7頁・6頁の見開き(頁付なし)は、復刻版カバーの折返しにあった書目の、左上が上がった斜めの書影(3.9×2.7cm)が上段4点、下段4点の計8点、並び、上段下段の間に横組みで、左側(7頁)には「光文社創業60周年記念名作復刻」算用数字は大きくなっている。最初の5文字の上に橙色の楕円(0.4×2.6cm)があってその中央に「同時発売」とある。右側(6頁)には「昭和20年・30年代の名作が完全復刻 光文社創業60周年」最後の赤字はやや大きいが「創業」は上寄せ「周年」は下寄せでごく小さい。
 掲載されている本はカバー折返しを参照するに、左側(7頁)の上段・下段、そして右側(6頁)の上段・下段の順に並んでいることが分かる。すなわち、左側上段の左には「『成吉思汗の秘密』*1昭和33年刊/作…高木彬光/解説…山前譲定価(本体1800円+税)」とある。標題は明朝体で大きく、2行め3行めはゴシック体で小さい。なお改行位置は「|」で示した。右には「『黒い画集 全三集』|昭和34〜35年刊/作…松本清張/解説…権田萬治定価(本体6000円+税)」があり、この『黒い画集』の書影は恐らく箱のもので『2』の表紙絵に『3』の標題を組み合わせ白抜きで数字と収録作品を表示していたところに黒で「全三集」と入れ、下部は『点と線』の復刻版カバーと同じ赤地の帯状になっていて、中央の黒字の宣伝文句は「傑  作  短  編  の  宝  庫|本邦ミステリーの源泉ここにあり」となっている。
 下段の左は「『ノンちゃん雲に乗る』|昭和26年刊/作…石井桃子/解説…吉田甲子太郎定価(本体1500円+税)」で定価は以下5点同じなので省略する。右は「『二十四の瞳』|昭和27年刊/作…壺井 栄/解説…坪田譲治」。
 右側(6頁)は左上から順に「『善太三平物語』|昭和29年刊/作…坪田譲治/解説…波多野完治」「『小説 三太物語』|昭和26年刊/作…青木茂/解説…大佛次郎」「『五十一番めのザボン』|昭和26年刊/作…與田準一/解説…川端康成」「『母のない子と子のない母と。』|昭和26年刊/作…壺井 栄/解説…坪田譲治」で、『成吉思汗の秘密』と創作童話6点は帯のない初版再現カバーの書影である。(以下続稿)

*1:ルビ「ジン ギ ス カン」。