瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

松葉杖・セーラー服・お面・鬘(10)

・「不思議ナックルズ」VOL.12(3)
 「デキゴトロジー」について長くなりましたが、2月14日付(06)の続きで「不思議ナックルズ」の記事に戻って、1つめの節の最後、「週刊朝日」の要約を示した続きを示して置きましょう。本文の引用は②再録『恐怖の都市伝説ファイナル』から、064頁中段12行め〜下段6行め。

 縁日で売っているようなセルロイドの/お面を付け、セーラー服を着て杖をつい/た何者かが、田園都市線の終点となる/中央林間駅から小田急中央林間駅ま/で500メートル弱の通路を徘徊して/いたことは間違いない。『週刊朝日』の記/事を見たギンティ小林は、「こんな呑気/な状態じゃなかった」と言う。
「この話が出た頃、地元はパニックだっ/たんです。僕たちはあいつのことを3本/足のサリーちゃんって呼んでました。昔/の少女漫画みたいなお面をつけていたか/ら、同級生がサリーちゃんに物凄い速さ/で追いかけられたって話もありましたね。/体が不自由なのに信じられないようなス/ピードで素早く動くんです」


 この小林氏の証言については追って検討します。
 それはともかく、2月13日付(05)で見た烟巻和美のイラストが、この怪人物にサリーちゃんではなくアッコちゃんのお面を被らせていたのは「デキゴトロジー」の記事に拠っているのです。
 さて、続くこども商事(田野辺尚人ギンティ小林)の取材と考察は、ギンティ小林の単行本『新耳袋大逆転』「第三十話」文庫版『新耳袋殴り込み 第二夜』「第二十六話」の「『不思議ナックルズ』からの依頼」に書かれた取材過程と重なるところも多いのですが、微妙な食い違いも見せます。一番気になるのは「不思議ナックルズ」では「筆者」すなわち田野辺氏が得た情報で書いたように読める箇所が、『新耳袋大逆転』では小林氏自身の見聞のように記述されていたり、全く採用されていなかったりすることです。詳しい検討は追って『新耳袋大逆転』での記述と対照させつつ行うこととしますが、ここでは2月9日付(04)にも言及されていた、「筆者」田野辺氏の「当時」の調査行動を窺わせる箇所を確認しながら、残りの部分の節見出しと、図版のキャプションについて、見て行くこととしましょう。(以下続稿)