瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

遠藤周作「幽霊見参記」(14)

・文藝別冊「遠藤周作」(6)*1
 4月24日付(13)の続きで、三浦朱門がこの一件についての解釈を述べている箇所を眺めて置きましょう。初版117頁(増補新版147頁)上段12行め〜中段6行め、

 次の晩、今度は二人で伊東に泊まっ/たんですけれども、その時にわかった/んですが、あいつは大きな声で寝言を/言うんですよ。「順子、殺せ! 殺/せ!」って(笑)。順子夫人に「殺せ」/と命じているのか、「順子を殺せ」と/言っているのかわからないんですが/(笑)、大きな声で言うんです。その彼/の大声の寝言を聞いて、そういう夢を/見て、パッと目がさめたんじゃないか、/と、同じ刺激だから、同じ夢を見た。/だから、彼の寝言で私が夢を見たとい/うのが、いちばん正解かと思います。/彼は三度あったと言うんですが、私は/二度。始めと終わりですから、真ん中/の一回の時は私はよく眠っていたわけ/ですね。だから、やっぱり夢だと思う/んです。


 以下は遠藤氏のお尻に出来たイボの話になるので省略します。
 遠藤氏に寝言を云う癖があったかどうかについて、三浦氏とは別に、遠藤氏と同部屋で寝て同様に物騒な寝言を聞いたという人の証言が欲しいところです。
三浦朱門『わが友 遠藤周作 ある日本的キリスト教徒の生涯1997年12月5日第1版第1刷発行・定価1,286円・PHP研究所・213頁・上製本(17.6×11.0cm)

 このインタビューの冒頭、初版104頁(増補新版134頁)上段2〜4行めに「――『わが友 遠藤周作――ある日本的キリスト教徒の生涯』を、とても感/銘深く再読させていただきました。‥/‥」と真っ先に持ち出されていましたので、念のため見てみたのですが、流石に幽霊のことなんかには触れていませんでした。(以下続稿)

*1:2020年6月21日追記】検索の便を考えて見出しを補った。