・渡辺節子 岩倉千春 編著『夢で田中にふりむくな ひとりでは読めない怖い話』 1996年7月5日初版発行・定価971円・ジャパン タイムズ・238頁・四六判並製本
渡辺氏が4冊全てに、岩倉氏が4冊めに編著者として参加している『日本の現代伝説』全4冊(白水社・四六判上製本)については、2014年2月1日付「赤いマント(101)」に触れた。これは主題ごとに解説を加えつつ、実際に語られている話を紹介するというパターンで、4冊でかなりの部分がフォローされていると思われるが、もとより完全ではない。編著者は各冊5名ずつで、章ごとに分担執筆しており、カバー表紙・カバー背表紙・扉には「編著」として、奥付には2冊めまでは「著者」、残り2冊は「編・著者」として50音順に並ぶ。以下、章題を挙げて、どのような主題についてまとめてあるか、確認して置こう。
・日本の現代伝説『ピアスの白い糸』 1994年11月10日印刷・1994年11月25日発行・定価1553円・226頁*1
渡辺節子「II 人体」57〜105頁
高津美保子「III 動物」107〜154頁
大島広志「IV 家族」155〜177頁
池田香代子「V 外国・外国人」179〜206頁
池田香代子「解説・現代伝説を語ることばへ向けて」207〜221頁
「主要引用文献」222〜226頁
・日本の現代伝説『魔女の伝言板』 1995年11月5日印刷・1995年11月20日発行・定価1650円・236頁
渡辺節子「Ⅰ メカ社会」13〜56頁
高津美保子「II 日常生活奇談」57〜97頁
三原幸久「III トイレ」99〜136頁
三原幸久「IV 金しばり」137〜153頁
常光徹「V 車社会」155〜177頁
近藤雅樹「VI 博物館」179〜214頁
常光徹「解説・現代伝説の魅力」215〜231頁
「主要引用文献」232〜226頁
・日本の現代伝説『走るお婆さん』 1996年11月25日印刷・1994年11月25日第1刷発行・1999年11月30日第3刷発行・定価1900円・206頁 渡辺節子「Ⅰ 新たな恐怖」11〜54頁
常光徹「II 受験・就職活動」55〜72頁
高津美保子「III 日常生活奇談」73〜93頁
常光徹「IV 鏡」95〜113頁
高津美保子「V 不思議な世界」115〜133頁
高津美保子「VI 植物」135〜150頁
大島広志「VII セックス」151〜170頁
大島広志「VIII 食」171〜188頁
大島広志「解説・現代伝説の分析」189〜201頁
「主要引用文献」202〜203頁
「関連文献」204〜206頁
※ 池田香代子は、担当箇所はないが編者として参加している(200頁14行め〜201頁1行め)。
・日本の現代伝説『幸福のEメール』 1999年11月20日印刷・1999年12月5日発行・定価1900円・214頁 大島広志「Ⅰ メディア」15〜40頁
岩倉千春「II 学校の怪談」41〜82頁
常光徹「III ジンクスとおまじない」83〜101頁
渡辺節子「IV 教習所」103〜115頁
高津美保子「V 日常生活奇談」117〜144頁
高津美保子「VI 謎」145〜163頁
渡辺節子「VII 会社と仕事」165〜195頁
大島広志「解説・現代伝説の立ち上げ」196〜209頁
「主要引用文献」210〜211頁
「関連文献」212〜214頁
全部で800頁を超え、紹介されている話も豊富ではあるが主題に重複もあって、どこに目指す話が載っているのか、検出しづらい。その点『夢で田中にふりむくな』は余計(?)な講釈は最小限にして、とにかく型録として活用しやすく編集されているのであるが、公立図書館には殆ど所蔵されていない。