瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

『夢で田中にふりむくな』(2)

 昨日の続き。
 昨日は『日本の現代伝説』全4冊(白水社)の章立てを確認するだけで終わってしまった。
 このシリーズ各冊の巻末「主要引用文献」を見るに、その殆どが「不思議な世界を考える会会報」なのである。
 この「不思議な世界を考える会会報」には2月11日付「赤い半纏(12)」に触れたことがあるが、現物を見たことがない。1月21日付「赤い半纏(07)」及び1月31日付「赤い半纏(11)」等で言及した「民話と文学の会かいほう」もしくは「民話と文学の会会報」と同じく、国立国会図書館等の公共施設に所蔵されていないのである。細かく勘定するのは別の機会に譲るが、とにかくここまで「主要引用文献」が「不思議な世界を考える会会報」だらけなのに、現物に当たる手段がないのは如何なものか。ネット上に公式サイトなども存在しないらしい。版元の白水社を通して関係者に連絡を付けて交渉すれば良いのかも知れない*1が、別に入会の意志がある訳でもなし、そこまでやろうとは思っていないのである。
 その後、次の全10冊のシリーズが「不思議な世界を考える会会報」を主要な出典として編集されていることを知った。
不思議な世界を考える会 編『怪異百物語』ポプラ社
・1『現代の妖怪』2003年7月第1刷発行*2・定価780円・155+Ⅳ頁

怪異百物語〈1〉現代の妖怪 (怪異百物語 (1))

怪異百物語〈1〉現代の妖怪 (怪異百物語 (1))

・2『学校と怪談』2003年10月第1刷発行*3・定価780円・163+Ⅳ頁
怪異百物語―学校と怪談

怪異百物語―学校と怪談

・3『奇人・怪人・不思議人』2004年3月第1刷発行・定価780円・171+Ⅳ頁
怪異百物語―奇人・怪人・不思議人

怪異百物語―奇人・怪人・不思議人

・4『夢と金しばり』2004年11月第1刷発行・定価780円・163+Ⅳ頁
怪異百物語―夢と金しばり

怪異百物語―夢と金しばり

・5『家族と霊』2005年2月第1刷発行・定価780円・155+Ⅳ頁*4
怪異百物語―家族と霊

怪異百物語―家族と霊

・6『クルマの怪談』2006年4月第1刷発行・定価780円・155+Ⅳ頁*5
怪異百物語―クルマの怪談

怪異百物語―クルマの怪談

・7『異次元ワールド・メカの怪』2006年7月第1刷発行・定価780円*6
怪異百物語―異次元ワールド・メカの怪

怪異百物語―異次元ワールド・メカの怪

・8『動物の怪・植物の不思議』2006年11月第1刷発行・定価780円・163+Ⅳ頁*7
怪異百物語―動物の怪・植物の不思議

怪異百物語―動物の怪・植物の不思議

・9『人体と食べ物の恐怖』2007年1月第1刷発行・定価780円*8
怪異百物語―人体と食べ物の恐怖

怪異百物語―人体と食べ物の恐怖

・10『まだまだあるこわい場所』2007年2月第1刷発行・定価780円・163+Ⅳ頁*9
怪異百物語―まだまだあるこわい場所

怪異百物語―まだまだあるこわい場所

 巻末に何年何月発行の第何号に掲載されたかを一覧にして示しているので、一度これを整理して「不思議な世界を考える会会報」の仮目録を作成しようと考えたこともあったのだが、10冊揃いで借り出すことが難しい*10ので、そのままになっている。『日本の現代伝説』の「主要引用文献」を見るに、「不思議な世界を考える会会報」は、大学で授業を持っている人たちが学生に書かせたレポートをまとめたらしい「ヤングの知っているこわい話」と、渡辺氏単独の連載「私たちの百物語」とが主要な内容であるらしいのだが、『怪異百物語』は号と発行年月を示すのみで、話の素性に関してそれ以上の情報は示されていない。
 その点『夢で田中にふりむくな』は、233〜235頁「話のもととなった資料」に、「ヤングの知っているこわい話」のアンケート調査を行った学校名まで示されており、いつ頃、どの辺りで(但し大学は必ず地元から進学して来る訳ではないから、大学名だけで地域の限定は出来ないのだけれども)行われた話であったのか、ある程度、見当が付けられるようになっているのである。(以下続稿)

*1:2017年1月29日追記】下記のシリーズの「もくじ」と本文の間にある「STAFF」の頁に「●不思議な世界を考える会」の簡単な紹介があり、Eメールアドレスが示されていた。

*2:2017年1月29日追記】投稿当初、第5刷に拠っていたのでここに第5刷の発行年月を入れていたが、ここには第1刷の発行年月のみを示し、増刷分については2017年1月29日付「不思議な世界を考える会 編『怪異百物語』(1)」に追加することにしたので削除した。

*3:2017年1月29日追記】投稿当初、第5刷に拠っていたのでここに第5刷の発行年月を入れていたが、ここには第1刷の発行年月のみを示し、増刷分については2017年1月30日付2017年2月1日付「不思議な世界を考える会 編『怪異百物語』(2)」に追加することにしたので削除した。【2019年6月18日追記】当初、2017年1月29日付「不思議な世界を考える会 編『怪異百物語』(1)」に続いて、2017年1月30日に投稿するつもりであったが作業量が多く間に合わなかった。しかしここのリンクは予定のままになっていたのを訂正した。

*4:2017年1月29日追加。投稿当初は書影のみ全10冊揃っていた。

*5:2017年1月29日追加。

*6:2017年3月5日追加。

*7:2017年1月29日追加。

*8:2017年3月5日追加。

*9:2017年1月29日追加。

*10:買おうとは思わない。それから私ではなく会の方が示すべきなのではないか、と云う気分が抜けないことも、万難を排して目録化作業を進めようと思えない一因となっている。