・帝国書院編集部『松本清張地図帳』(4)
昨日の続き。
「【資料編】清張作品の点と線」の88〜89頁「清張作品の線 ―作品に出てくる鉄道路線と主要列車名―*1」は、88頁2〜4行めの前置きに、
昭和30年代前半を中心とした作品に登場する移動手段のうち鉄道に着目し、当時の/路線名や主な列車名(特急・急行の愛称)をとりあげる。「砂の器」の今西刑事や/「ゼロの焦点」の鵜原禎子が乗った列車の経路を追うことができる。
とあり、89頁上欄に
★路線名の[A]〜[g]は、復刻版地図(72〜87ページ)にも掲載。列車の点は停車駅を示す。
(注)復刻版時刻表・昭和33年11月号をもとに、列車名のみ合わせた。そのため、停車駅や行き先などは必ずしも作品と一致しない。
とあって、■に白抜きのA〜Z、a〜gの33の路線と、登場人物の乗降した駅や乗り換えた駅及び主要な駅、そして登場人物が利用した特急・急行の列車名と、その列車の停車駅が示される。
88頁には[M]まで13路線、本作に登場する路線はいづれも89頁、「[N]中央本線」には本作も含め8作品が挙がっており、幾つかの駅がゴシック体に淡い灰色の網掛けで示されている。本作の関連で、新婚旅行で利用した「新宿」「甲府」「上諏訪」がゴシック体・網掛けになっているが、後半のポイントになる「立川」は明朝体である。「[Y]高崎線/上越線」は桃色の太線で示された「北陸 急行<昭和25年―/昭和50年、寝台特急―平成22年>*2」に本作の標題が示され、桃色の太線の端は「→[Z]」となっていて、そのまま「[Z]信越本線」に乗り入れていることが分かる。信越本線の「北陸」は両端が「[a]←」「→[Y]」となっていて、[Y]上越線から「[a]北陸本線」に乗り入れていることが分かる。北陸本線の「北陸」も端が「→[Z]」となっていて、信越本線から乗り入れていることが分かり、上野から終点の福井まで追えるようになっている。途中の乗り換え駅にもやはりアルファベットの符合が打たれている。「北陸」の本作関連でゴシック体・網掛けになっている駅は「上野」「金沢」、「[c]七尾線」は本作のみでゴシック体・網掛けは「金沢」「津幡」「羽咋」「和倉」、「[d]北陸鉄道」も本作のみで「能登線<昭和47年廃止>」の「羽咋」と「能登高浜」、「石川線」と「能美線<昭和55年廃止>」の「鶴来」がゴシック体・網掛けになっている。(以下続稿)