瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

氏家幹人『江戸の少年』(1)

・四六判上製本(1989年6月23日初版第1刷発行・定価1903円・平凡社・313頁)
平凡社ライブラリー72(1994年10月15日初版第1刷・定価1,165円・359頁)

江戸の少年 (平凡社ライブラリー)

江戸の少年 (平凡社ライブラリー)

 まづカバーの紹介文を抜いて置こう。
 上製本のカバー表紙、上部に藍色の明朝体太字縦組みで、

子供たちのアブナイ遊びは時代の危機認識や社会にわだかまる不満や不安と結びつくとき、かぎりなく反乱に近い様相を帯び始める

とあり、カバー裏表紙中央右上寄りに、

ほのぼのとした田園の一点景、村芝居の風景の背後で、様々な緊張関係が織り出され異なる価値観がせめぎ合っていた。芝居の担い手は若者たちであり、時代は、悪少年の時代だった。

とある。
 平凡社ライブラリー版のカバー表紙、標題の下にごく小さいゴシック体横組み・中央揃えの紹介文に、

八歳の童女による出産,幼児虐待,同性愛,そして頻発する若者仲間の暴動……./時代の危機認識や,社会にわだかまる不満・不安を背景に,/華麗かつ残酷な「事件の江戸像」が浮かびあがる.

とある。
 装幀については平凡社ライブラリー版にはカバー表紙折返し最下部左に横組みで小さく、

カバー=豊国「児戯」(部分)
    太田記念美術館
カバー・マーブル制作=製本工房リーブル

とある。「カバー・マーブル」は平凡社ライブラリーに共通。
 上製本は6頁(頁付なし)の下部中央に明朝体縦組みで小さく、

カバー=豊国「児戯」(太田記念美術館蔵)より
    大扉=国芳「大山石尊良弁滝之図」より
   目次=菊地貴一郎「絵本江戸風俗往来」より

とある。
 カバーの図版はカラーで、平凡社ライブラリー版と同じ縮尺だが収録範囲が異なる(上製本の方が広く取るが、平凡社ライブラリー版には上製本にない部分も取られている)。1頁(頁付なし)大扉は錦絵の一部を縮小して白黒で載せる。3頁(頁付なし)は「目次」の扉、4〜5頁(頁付なし)見開きに細目を並べるが、文字は上部にあって下部にはそれぞれ『絵本江戸風俗往来』の絵がカットとして使用されている。平凡社ライブラリー版は1頁(頁付なし)扉・3頁(頁付なし)中扉・5頁(頁付なし)「目次」の扉は、平凡社ライブラリー版に共通の書式で図版はなく、6〜7頁(頁付なし)見開きの目次の細目も、オールドスタイルの算用数字で頁数を示すのは上製本と同じだが、上製本が3字空けて数字を示すのに対し、平凡社ライブラリー版は下部に揃えて数字を示し、その間を「……」で繋いでいる。従って余白がなくカットも挿入されていない。(以下続稿)