・『ゴジラ』 昭和29年(1954)11月3日公開
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だから、近年漸くその原点とも云うべき本作を図書館所蔵のDVDで見て、吃驚したのである。特に、志村喬(1905.3.12〜1982.2.11)扮する山根恭平博士は、専門バカっぽいところも含めて迫真の演技であった。マッドサイエンティストかと思った平田昭彦(1927.12.16〜1984.7.25)扮する芹沢大助博士にもぐっと来た。そして河内桃子(1932.3.7〜1998.11.5)扮する山根家の令嬢・恵美子には惚れそうだった(笑)。
庵野秀明監督『シン・ゴジラ』は、「ヤシオリ作戦」という『古事記』に由来する作戦でゴジラを倒すことになっていると云うので機会があれば見に行こうと思っていたのだが、結局見なかった。
そこで先月中旬、たまたま新文芸坐の前を通り掛かって下旬に掛かることを知った「シン旧ゴジラの咆哮 in シン文芸坐 ゴジラ / シン・ゴジラ」を見に行った。私は名画座世代ではないので×本立てで映画を見るのも(多分)初めてであった。
海外のサイトにて「字幕を読み切れないから吹き替え版で上映して欲しい」と云うコメントを多く目にしたが、聞いたって理解出来ない。理解させるつもりで作っていない。確かに字幕では読むのに焦っているうちに訳が分からなくなってしまいそうだ。隅々まで理解しようと思ったらDVDか脚本を買って研究するしかない。そんなことは私がしなくてもいくらでもやる人がいるだろうから、やらない。
私が思ったのは、大杉漣(1951.9.27生)扮する総理大臣や柄本明(1948.11.3生)扮する官房長官、矢島健一(1956.3.1生)扮する思い付きで話す閣僚などが、あーだこーだと小田原評定の挙句、避難のために乗り込んだヘリコプターをゴジラの尻尾に一撃されて*2全滅する件が、――上野顕太郎(1963.4.18生)の短篇「怪獣の夜」に似ている、と云うことであった。
これは、2011年2月21日付「図書館蔵書のカバー」に取り上げた、モーニングKCデラックス348『帽子男は眠れない』101〜108頁に掲載されている。当時、掲出出来なかった書影を貼って置こう。
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もちろん上野氏の漫画だから、『シン・ゴジラ』よりも馬鹿馬鹿しい理由であーだこーだやっているうちに、踏み潰されてしまうのである。
それから、もう1点、最近思ったのは、――全閣僚が殉職して唯一生き残った、平泉成(1944.6.2生)扮する里見祐介農林水産大臣が、内閣総理大臣臨時代理になって、見ている者をほっこりさせる(平泉氏の出演シーンでは客席から毎度笑いが聞かれた)のだが、今の第3次安倍第3次改造内閣(仕事人内閣)だったら江崎鉄磨(1943.9.17生)沖縄及び北方対策担当大臣にお願いしたい、と思ったのである。(以下続稿)
*1:何故か2016年5月24日付(1)から2016年5月28日付(5)まで綴った「昭和50年代前半の記憶」では仏像のことに全く触れていない。余りにも個人的な内容で「昭和50年代前半」と題する必然性がなかったからか。
*2:【2018年12月16日22時22分追記】と、記憶していたのだが、現在TV朝日で放映しているのを見たところ、夜間にゴジラが口から放った光線(「内閣総辞職ビーム」と云われているらしい)に直撃されていた。――1ヶ月程度でも記憶は当てにならんものである。……開き直っているみたいで申し訳ありませんが。