瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

山岸凉子「ひいなの埋葬」(5)

山岸凉子スペシャルセレクションIX『鬼子母神』(5)
 8月26日付(4)及び8月23日付(3)の続き。
 この豪邸に暮らしているのは、332頁7コマめ、老婆の台詞に「これの両親も先にいってしまうし梨本家もいまでは/私と静音だけ さびしいことです」とあって梨本家の血縁は祖母と孫の2人、他に中年の女中の「淑*1」と、358頁9コマめ〜359頁2コマめにあるように主治医の影尾雪(男性)の2人、合せて4人だけです。
 さて、白髪の老婆と対面した弥生は、330頁4コマめ、(この人が梨本家の当主なのね)と思います。川島家から入婿した人の娘に当たる、1910年頃の生れです。但し女中の淑には331頁4コマめ「御隠居さま」と呼ばれています。――そうすると誰が当主なのか、と云うことになってしまいますが?
 そして弥生を「雛の節句」に招待したからには、梨本家には然るべき年齢の娘がいることになりますが、それがこの話のヒロイン(?)である梨本静音です。332頁4コマめに「孫の静音です あなたと同じ年ですね」と自己紹介していますから、昭和51年(1976)の「雛の節句」に弥生と同じ満16歳と云うことになります。

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 ここで、作中の日付を確認して置きましょう。
・310〜311頁2コマめ――11年前(昭和40年)の回想
・311頁3コマめ〜319頁――2月のある日(上旬か)
・321〜345頁5コマめ――2月28日
・345頁6コマめ〜360頁4コマめ――3月1日
・360頁5コマめ〜368頁5コマめ――3月2日
・368頁6コマめ〜396頁3コマめ――3月3日
・396頁4コマめ〜397頁――3月4日
・398〜401頁4コマめ――3月5日
・401頁5コマめ〜403頁――4月上旬(始業式の日)

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 ここから先は2014年8月14日付「ネタバレと引用」に述べた方針で、そもそも当ブログは魅力的な作品へと人を誘うことを目的としていないので、読んでいない人にも全く配慮せずに記述します。新鮮な気持ちで「ひいなの埋葬」を読みたいと思っている人は、読まないようにして下さい。(以下続稿)

*1:ルビ「とし」。