瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

水島新司『ドカベン』(31)

・山田の家の住所
 畳の営業のためにサチ子が持っているプラカード(文庫版⑦21頁3コマめ*1)に、縦書きで「タタミのご注文は一流の腕の山田へ  /――幸町三丁目二十七」と書いた紙*2を鋲で四隅を止めている。
 10月14日付(25)に見た、映画に出て来る「幸町二丁目38」との住居表示板は、この数字を少しずらしたものである。(以下続稿)
10月31日追記】映画でも、初めて山田の自宅の長屋が写るところで、吊り下げた木札に楷書体の毛筆で、

   幸町三丁目二十七
疊受けたまわります
    山 田 疊 店

とあるのが写り、中盤にも山田が営業のためにサンドイッチマンのように白い画用紙に、胸に大きく、油性サインペンで「畳」振仮名「たたみ」、背面には、

バカ安く
バカていねい
 幸町三丁目二十七番地
 山田畳店

と書いて、下駄履きで左にかなり大判のチラシを抱えて走る場面があった。そして川で土方をしている賀間に(轢かれそうになったサチ子を助けて貰って以来)再会することになっている。そして後を付けて、山田家よりもさらにうらぶれた長屋の一室で、病床の賀間の妹(小貫千恵子)と賀間が「お兄ちゃんが優勝したら、きっと元気になるわ」「よぉし、お兄ちゃん、絶対優勝してみせるよ」云々と会話するのを聞いてしまう。なお、壁に貼ってある習字「希望/の春」に「三の二 賀間幸子」とあり、賀間の妹は小学3年生まで通学していたが、4年生になる頃より自宅で床に就いたままになっているようである。

  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *

 選挙には期日前投票に行こうかとも思ったのだが、私の家は投票所と図書館とスーパーマーケットと宅急便と複写機くらいしか使わないがコンビニエンスストアが近いので、わざわざ遠い役所まで投票に行くのも面倒で、かつ家人に行列になっていたと聞いていよいよ今日でいいやと思ったのである。
 民進党は、庇を借りて母屋を乗っ取るような按配になれば面白いとは思ったが、そう上手く行くだろうか、と云う気もしていたら全員受け入れないことになって、考えてみれば代表の決断(?)以前に、共産党選挙協力したくないから民進党を出る、などと青臭い原則論を振り回して*3離党していった連中がもう入っていた訳で、それなのに結局全員小池氏の党(以下「Kの党」と略す)に移ったりしたらそれはそれで妙な按配である。だから、意見が合わないのを理由にKの党が入れない、Kの党に入りたくない、そういう人間が出て来てもおかしくない、むしろ当然である。だから、コメンテーターは排除の論理で躓いた、などと言っているが、そうではなくて、Kの党に入れなかった民進党前職(元職)のいる選挙区に、Kの党が対立候補を立てたのが決定的だったと思うのだ。――あ、Kの党の代表は政権選択と言っているけれども、落としたい議員はそっちじゃないんだ、と冷めたのである*4。いや、都知事選でも都議会議員選挙でもKファーストの会に入れなかったから、私は別に最初から期待していなかったのだけれども、先月末に実家に行った折に、父がとにかく政権交代が第一だからKの党に入れると言っていたのを*5、Kは信用出来るんかい、と言うのも憚られて黙って聞いていたのだが、……その後、父と話さないが、そこまで頑迷固陋の老爺にはなっていないと思うので、何も言わなくても良いと思っている。
 先日、某民放の番組を見ていたら、枝野氏の新党が出来たことで野党が分裂したから与党が勝つ、みたいな前提で話していたのに吃驚した。枝野氏の党が出来る前に、Kの党が上記のような挙に出ていたではないか*6。そうでなくてもKの党が一時、虚像でイケそうに見えたことがあっただけであって、初めから与党が勝つ時機を選んで、別にやる必要もないのにやる選挙なのだから。本当にこの人たちは何を言っているのか、と思ったのである。

*1:4コマめにも下半分が描かれている。

*2:文庫版⑦51頁1コマめ・2コマめでは文面は同じだが、紙も板も横長で字も細くなっており「――」がなくなって1字分空白になっている。文庫版⑦72〜73頁にも数箇所、描かれている。

*3:そういうことは単独で与党に抗しうるだけの勢力を得てから言ってもらいたい。

*4:10月23日追記】当時は枝野氏の党もなく、民進党は公認を出さないと言っていたから小選挙区で勝たなければ復活当選もなかったのである。一方、与党の方は仮に選挙区でKの党の候補に敗れても、比例で復活当選の可能性大なのである。――実際には殆どKの党には負けなかったが。

*5:父は都民ではないので、K関係の候補者に投票出来る機会は今回が初めてである。【10月23日追記】当時、まだ合流が発表された直後で、対立候補を立ててKの党の方針に合わない前職(元職)を徹底的に追い込む、などと云う展開にはなっていなかった。――本当に、AB一強打破を訴えて置きながら何故こんなことをしたのか、謎だし、愚かである。

*6:Kの党が出来ずに民進党が枝野氏を代表に選んでいれば、もちろん勝てないが分裂はしなかったろう。民進党は今の代表を選んだ時点で野党として終わっていることを露わにしていたのである。