瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

事故車の怪(5)

常光徹 監修中谷靖彦 絵『みたい! しりたい! しらべたい! 日本の都市伝説絵図鑑』全3巻(定価2,800円・ミネルヴァ書房・32頁・AB判上製本
①現代の妖怪と都市伝説(2015年9月30日 初版第1刷発行)

②まちなかの都市伝説(2015年10月30日 初版第1刷発行)③乗りものと都市伝説(2015年11月30日 初版第1刷発行)
乗りものと都市伝説

乗りものと都市伝説

 オールカラー。2013年12月28日付「赤いマント(68)」に取り上げたのと同じシリーズ。各巻の32頁(頁付なし)奥付を見るに常光氏の担当は「監修・序文(2〜6ページ)」で、他は「文(8〜29ページ)  村上奈美」とある。1頁(頁付なし)は扉、7頁は「もくじ」と「図鑑の見方*1」、30〜31頁「全巻さくいん」という構成は同じ。
 常光氏の序文は、「口さけ女と人面犬―現代の妖怪」、「身近な都市伝説」、「乗りものの怪異と伝承」で、それぞれいくつかの話を取り上げて解説を加えている。
 他の巻にも言及する機会があるだろうから、今回は記事の題に関係する③のみ取り上げる。
 村上氏の担当分は、全てカラーイラスト付きで都市伝説の筋を紹介した8〜13頁「車・自動車と道路にまつわる話」14〜15頁「トンネルにまつわる話」18〜21頁「電車・新幹線と踏切にまつわる話」22〜27頁「舟と海にまつわる話」と、コラムが16〜17頁「トンネルに怪談が多い理由」と28〜29頁「外国の都市伝説(乗りもの編)」の2つ。
 個々の話には題はない。10頁が全頁1話に当てられており、イラストはカバー表紙の右上にあるもので、背景は白ではなく紺色なので、女性の影は背景に紛れている。左上に白抜き(1文字めはドロップキャップで赤紫色)で以下のような文章が横組みで入っている。

い女の人が高級車を運転しているとき、事故に/あって死んでしまった。その車は修理され、中古/車として売りにだされた。事故のこともあり、高級車な/のにおどろくほど易い値段で売られていたので、その車/に興味を持つ人は多かった。しかし、誰かが車の運転席/へすわってみると、後ろの席から若い女の人の声で、*2
「そこはわたしの席ですから、すわらないでください」*3
「ハンドルにさわらないでください」
 ときこえてくる。とうとう、誰もその車を買わなかっ/たという。*4

*1:ルビ「ずかん・みかた」。

*2:ルビ「わか・おんな・ひと・こうきゅうしゃ・うんてん・じこ/し・くるま・しゅうり・ちゅうこ/しゃ・う・じこ・こうきゅうしゃ/やす・ねだん・う・くるま/きょうみ・も・ひと・おお・だれ・くるま・うんてんせき/うし・せき・わか・おんな・ひと・こえ」。

*3:ルビ「せき」。

*4:ルビ「だれ・くるま・か/」。