瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

幸田文『おとうと』(4)

新潮文庫1815(2)
 9月19日付(3)に、②③のカバーは同じ、と述べたが、その後、②の途中で改装されていたことが分かった。
 ①三十六刷と②四十七刷を比較して見る。適宜現行のカバーが掛かっている②七十三刷とも比較する。
 カバー表紙は同じ。藍色の布地の背景に、毛筆の檸檬色で中央やや上寄りに標題があるのは10月23日付「幸田文『父・こんなこと』(1)」に見た新潮文庫899『父・こんなこと』に同じ、著者名は同じ白抜きの明朝体でやや右上に入っている。下部中央の明朝体白抜き横組みの「新潮文庫」は新潮文庫899『父・こんなこと』のように黒く潰さずに布地の上に入っている。
 カバー背表紙、白地で上部に明朝体で標題「お と う と」中央やや下に「幸田 文」、下部に①三十六刷は「[こ 3 3]新潮文庫 280」②四十七刷は最下部が「360」に太い下線。整理番号は黒の角丸の枠線に収まる。②七十三刷は肌色地で、組み直されているが文字の配置は同じ、整理番号は枠線なく白抜きになっており、最下部は「\400」。
 カバー裏表紙、右上の紹介文は一致。①三十六刷は上下に横線、②四十七刷と②七十三刷は最上部の横線はなくなっており、左上の余白だった箇所の上部にバーコード2つ、1つめ「9784101116037」は一致、2つめは②四十七刷「1910193003605」②七十三刷「1920193004007」、下部に②四十七刷「定価360円(本体350円)」②七十三刷「定価本体400円(税別)」。中央の横線の位置は①三十六刷は若干低い。①三十六刷はこの横線の下に「ISBN4-10-111603-2 C0193 \280E 定価280円」とあり、その下、中央に葡萄マーク。②四十七刷と②七十三刷は葡萄マークは横線の下、右にあり、左には②四十七刷「ISBN4-10-111603-2C0193 P360E」②七十三刷は一回り小さく「ISBN978-4-10-111603-7C0193 \400E」。
 カバー折返し、私の見た②四十七刷はカバー表紙折返しの右下「題字 宇野雪村」を除き切除されている。①三十六刷はほぼ完全に存しているが残りは白地の余白。
 カバー裏表紙折返しには横組みで、最下部に明朝体、①三十六刷は左寄りに「カバー印刷 錦明印刷」のみ、②七十三刷は右に「  デザイン 新潮社装幀室」が追加される。上部、①三十六刷は左側にゴシック体で「〜〜新潮文庫〜〜/幸田 文の作品」少し空けて「父・こんなこと/流  れ  る/お と う と/   闘   」、②七十三刷は明朝体で「―――新潮文庫―――/幸田文の本|」は「父・こんなこと/流れる/おとうと/木/きもの/雀の手帖」の6点。
 本体、1頁(頁付なし)扉、3頁(頁付なし)中扉で標題「お と う と」、5頁から本文、①三十六刷は1頁18行、1行43字で217頁まで、②四十七刷は228頁まで、末尾(228頁5行め)下寄せでやや小さく「(昭和三十一年一月)  」が追加されている。篠田一士「解   説」は①三十六刷218〜223頁、「篠 田 一 士  」は最後(223頁18行め)に17行めとは隙間なく下寄せ、②四十七刷229〜235頁、「篠 田 一 士  」は2行めに下寄せ、末尾(235頁5行め)下寄せで小さく「(昭和四十三年三月、文芸評論家)  」と追加されている。
 ①三十六刷は目録なく裏が奥付。
 ②四十七刷の断り書き2頁、目録2頁は②七十三刷に同じ。
 奥付、上部の横組み部分は①三十六刷・②四十七刷・②七十三刷とも同じ。縦組み部分、①三十六刷は発行日2行、②四十七刷・②七十三刷は3行、1行めの年月日のみ一致、①三十六刷「 発  行」②四十七刷・②七十三刷「 発    行」。①三十六刷・②四十七刷の残りの異同は「発行所」の「郵便番号」以下の行が右に詰まり1字分高くなる。①三十六刷「電話〈業務部(〇三)二六六―五一一一/編集部(〇三)二六六―五四四〇〉/振 替 東 京 四 ― 八 〇 八 番」②四十七刷「電話〈営業部(〇三)三二六六―五一一一/編集部(〇三)三二六六―五四四〇〉/振 替   東 京 四 ― 八 〇 八 番」②七十三刷では「電話〈編集部(〇三)三二六六―五四四〇/読者係(〇三)三二六六―五一一一〉」となり振替番号のところはHPアドレスになっている。「乱丁・落丁本」は①三十六刷「小社通信係宛ご送付/」であったのが②四十七刷・②七十三刷「小社読者係宛ご送付/」。下部の横組み部分の異同は2行め左が①三十六刷「Aya Kôda」が②四十七刷・②七十三刷「Tama Aoki」にかわっているのみ。(以下続稿)