瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

Guy de Maupassant の文庫本(7)

・青柳瑞穂 訳『モーパッサン短編集』(5)
新潮文庫1947 (二)
 細々とした部分的な比較ではなく、大きな系統を示して細かい異同に及びたいのだが、なかなか思うに任せないので、返却期限の迫ったものから比較して見る。
 ②三十三刷・三十四刷・三十五刷の比較。
 カバーは一致。
 目録は10頁、直前に1頁白紙。以下、書名などが2行にわたる場合、1行めは上寄せ、2行めは下寄せだが、1行めの下の余白のみ示して、2行めの上の余白は省略した。
 異同はまず3頁め、三十三刷の3点めが三十四刷の2点めに、三十三刷の5・6点めが三十四刷の3・4点めに移動している。また三十三刷の2点め「〈ジ ッ ド/山内義雄訳〉 狭  き  門/ノーベル文学賞受賞」は三十四刷では1点めに移動し「ノーベル文学賞受賞」がなくなっている。三十三刷の1点め「〈ジ ッ ド/石川 淳訳〉 背  徳  者」4点め「〈ジ ッ ド/堀口大學訳〉 一粒の麦もし死なずば」は三十四刷にはなく、三十四刷の5点めは「〈モーリヤック/杉 捷夫訳〉 テレーズ・    /デスケイルゥ/ノーベル文学賞受賞」6点めは「〈ウ ィ ー ダ/村岡花子訳〉 フランダースの犬」が加わっている。そして三十五刷では5点めが「〈コンスタン/新庄嘉章訳〉 ア ド ル フ」になっている。
 5頁め1点め、三十三刷には「〈カ ミ ュ/窪田啓作訳〉 異  邦  人/ノーベル文学賞受賞」とあるが三十四刷・三十五刷は「ノーベル文学賞受賞」がない。また「邦」の字体が異なっており、三十五刷は最初の3画が横線であるのに対し、三十三刷・三十四刷は3画めが右上がりに払っている。三十三刷の6点めは三十四刷の5点めに、三十四刷の5・6点めが三十五刷の4・5点めに移動している、すなわち、三十三刷5点め「〈カ ミ ュ/〈渡辺守章鬼頭哲人〉訳〉 カリギュラ・誤解」がなくなって、6頁め1点めにあった「〈カミュサルトル他/佐藤 朔訳〉 革命か反抗か」が三十四刷では6点めに移っている。そして三十三刷・三十四刷4点め「〈カ ミ ュ/〈佐藤 朔/窪田啓作〉訳〉 転落・追放と王国」が三十五刷ではなくなって6点めに「〈サ ル ト ル/伊吹武彦他訳〉 水 い ら ず」が加わる。
 6頁め1点め、三十四刷では「〈ボーヴォワール/『第二の性』を原文で/   読み直す会*1〉 決定版 第二の性 I/事実と神話」になっている。
 7頁め、三十三刷は全て「〈サ ガ ン/朝吹登水子訳〉」で、「悲しみよ     /こんにちは」「あ る 微 笑」「一 年 の の ち」「ブラームスは   /お好き」「愛と同じくらい孤独」「絹  の  瞳」の6点であったが、三十四刷はうち2点が「〈サ ガ ン/河野万里子訳〉」の3点め「愛 は 束 縛」5点め「逃  げ  道」に差し替えられている。さらに三十五刷は1点めと3点めは三十四刷に同じ、三十四刷4点めが三十五刷では2点めに移動して「〈サ ガ ン/朝吹登水子訳〉」は最初に纏められて2点だけになり、4点め「〈A・ガヴァルダ/飛幡祐規訳〉 泣きたい気分」5点め「〈J・ジュネ/朝吹三吉訳〉 泥 棒 日 記」6点め「〈M・ルブラン/堀口大學訳〉 8  1  3/―ルパン傑作集(I)―」になっている。8〜10頁め「新潮文庫最新刊」。
 奥付の異同はそれぞれの発行日、電話の左に三十三刷は「振  替 〇〇一四〇―五―八〇八」とあって1行分空白だったのが、三十四刷は2行分空白になり、三十五刷はHPアドレスと1行分空白。下部の横組み部分の異同は、横線(6.7cm)2本の間、三十三刷(0.8cm)は2行め「© Sumi Aoyagi 1971  Printed in Japan」とあったが、三十四刷・三十五刷(1.1cm)は「© 〈Mieko Tamaru /Sôko Watanabe〉 1971  Printed in Japan」となっている。

  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *

 ③三十六刷改版・三十七刷の比較。
 目録6頁、3頁めまで一致、残りは「新潮文庫最新刊」。奥付の異同は三十七刷の発行日の追加。
 カバー表紙・カバー折返しは一致。
 カバー背表紙の下部、三十六刷改版は白抜きの枠に「[モ 1 7]」とあって最下部「\590」に太い下線。三十七刷は「[モ 1 7]」とあって最下部「630」。
 カバー裏表紙の異同は定価絡みの三十六刷改版バーコード2つめ下4桁「5901」、その下の「定価本体590円(税別)」、ISBNコードの下の「C0197 \590E」が、三十七刷ではバーコード2つめ下4桁「6304」「定価本体630円(税別)」「C0197 \630E」となっている。(以下続稿)
7月15日追記】投稿当初、標題に附された番号が(6)になっていたのを訂正。

*1:二重鍵括弧は半角。