・新聞報道(3)朝刊①通報から死体発見まで
それでは昨日の続きで、各紙の昭和61年(1986)1月27日(月曜日)朝刊に出た記事から、見出しに続く本文の、通報と死体発見までを見て置きましょう。
・「朝日新聞」
二十六日午後十一時四十分ご/ろ、東京都杉並区和田一丁目、/女子美術大学の二号館(四階建/て)屋上で火の手が上がり、消/防署員が間もなく消し止めた/が、女性が焼死していた。
二十六日午後十一時半ご/ろ、東京杉並区和田一の四九/の八、私立女子美術大(松島/道也学長、学生約千二百人)/二号館(鉄筋コンクリート四/階建て)の屋上で火の手が上/がっているのを近くの人が見/つけ一一九番した。
杉並消防署、杉並署員が駆/けつけ、すぐ火を消し止めた/が、女性が焼死していた。‥/‥
・「読売新聞」
二十六日午後十一時半ご/ろ、東京都杉並区和田一の四/九の八、女子美術大学の二号/棟(鉄筋コンクリート四階建/て)屋上で火の手があがっ/ているのを近所の人が見つ【6段め】け、一一九番した。杉並消防/署から消防車が出動したが、/火は消えており、焼死体を発/見した。建物への延焼はなか/った。
「朝日新聞」と「毎日新聞」「読売新聞」で時差がありますが、23時30分頃に通報があり、40分頃に消し止めた、と云うことなのでしょう。
次に、「朝日新聞」のように消防署員が消し止めたのか、「毎日新聞」のように杉並署員も加わっていたのか、それとも「読売新聞」のように自然に鎮火したのか、ですが、11月7日付(15)に引いた「週刊新潮」2月6日号の記事の通りだとすれば「読売新聞」が、経緯を省かずに述べていることになります。消防署員は燻っている焼死体に消火活動のようなことをしたのみです。「週刊新潮」2月6日号の36頁3段め7行め〜4段目1行め、引用は省略しましたが死体は性別が分かる状態ではなく「女性が」と云うのは遺留品によって分かったことで、これも「読売新聞」の書き方が正確です。建物への延焼の有無に触れているのも行き届いています。(以下続稿)
*1:【11月23日追記】当初「東京都」としていたのを修正した。