昨日の続き。
P+D BOOKS版には解説類はなく、作品の来歴は奥付の前の頁にある「(お断り)」に初出について説明しているのみである。小学館文庫版の同じ位置(205頁の裏、奥付の前)には明朝体で、
――――――――本書のプロフィール―――――――
本書は、二〇一三年五月に小学館P+D BOOKS/より刊行された同名作品を文庫化したものです。
とあって、初出の説明はない。ちなみに「二〇一三年五月」は前回見たように「二〇一五年五月」が正しい。――初出については199~205頁、末國善己「解説」の冒頭で以下のようになされている。199頁3~8行め、
松本清張は、一九五〇年代半ばに、『武田信玄』(「中学コース」一九五四年五月~/一九五五年三月、『決戦川中島』に改題)、『徳川家康』(講談社、一九五五年四月)、/『黒田如水』(「高校コース」一九五六年四月~一九五七年三月。『軍師の境遇』に改/題)など、少年少女向けの歴史小説を立て続けに発表している。小学館発行の雑誌/「中学生の友3年」の一九五七年四月から後継誌「高校進学」の一九五八年三月まで/連載された本作『山中鹿之助』も、清張のジュヴナイル歴史小説の一作である。
ここに挙がっている少年少女向けの歴史小説は、清張のネームバリューもあって、現在でも新刊書が書店で入手可能である。
当ブログでは『決戦川中島』は取り上げたことがなかった。
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決戦川中島―風雲の武将・武田信玄 (講談社 青い鳥文庫―日本の歴史名作シリーズ)
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それはともかく、末國氏は続けて、9~13行め、
ロングセラーを続ける清張の作品は、いまも文庫などで容易に読むことができるが、/本書は二〇一五年五月に、入手難になっている名作をペイパーバック書籍と電子書籍/で同時刊行するP+D BOOKSの一冊として刊行されるまで、一度も書籍化され/なかった”幻の名作”である。当然ながら、文庫化も今回が初となるだけに、清張フ/ァンはもとより、歴史小説好きにとっても朗報といえるだろう。【199】
と、「二〇一五年五月」に「第一回配本&配信」されたP+D BOOKS版が初の書籍化であったことに触れている。(以下続稿)