瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

山岸凉子『ヤマトタケル』(2)

 今回から新稿である。――2月7日付(1)に書いた、何故か私が行ったときだけ上製本が貸出中になっていた図書館にまた行って来た。今はネットで貸出延長が出来るから、しばらく行かないつもりでいた。私が借りるような本は他の人が余り借りない妙な本か、どこの図書館にもあるような文庫本だから、大抵は延長が出来るのである。しかしたまに予約が入りそうな本を借りることがあって、上旬に借りた本に案の定予約が入ってしまった。その本は、その区立図書館に「所蔵数2冊」で「予約」は「1件」である。この週末は出掛けずに、早くても下旬に先月借りた本の返却のために行くときに返したかった。同じ本を借りているもう1人が私より先に返してくれれば、私はその隙(?)に延長処理して、下旬までは延長したいと思って毎日ネットでチェックしていた*1のだが、残念ながら私の方が先に期限が来てしまった。私より前にその本を借りていたもう1人は、予約が入る前に返却期限が来て延長処理して、私より返却期限を先に延ばすことが出来ていたらしいである。
 そこで出掛けざるを得なくなって、念のため検索してみると(もう何度も目にしているのだけれども)上製本が書棚にあることになっている。それが motivation になって、花粉の飛散の始まっている都内に夕方出向き、まづ別の区の、こちらは延長した上で返却期限が来てしまった図書館に立ち寄り、それから延々幹線道路を歩いて歩いて、同じ区の別の図書館に予約が入ってしまった本と1週間後の下旬が返却期限だった本を返してしまって、少し身軽になってからまた幹線道路を歩いて歩いて、すっかり暗くなってから目当ての図書館に飛び込むと、3年半ぶりに上製本(同じ本ではないのだけれども)を手にすることが出来たのだった。

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 今手許にある2冊本の書影。2月7日に投稿した2015年の下書き記事では『前編』の書影のみ示して「未見」としていた。
・あすかコミックス『ヤマトタケル[前編]1991年9月17日初版発行・1991年12月20日再版発行・定価379円・角川書店・163頁
・あすかコミックス『ヤマトタケル[後編]1991年9月17日初版発行・定価379円・角川書店・151頁
 まづ四六判上製本を出してから、新書判並製本の廉価版を出したことになる。
 『後編』のカバー表紙のイラストは、上製本3頁(頁付なし)のカラー口絵と同じ絵である。但し色合が少々異なっているので印象もだいぶ違う。『後編』では顔が白く塗ったようになっているが、上製本では顔も首筋も手も抜けるように白い。地色の灰色も上製本は薄い。花弁が散っているが、これも上製本は薄いが『後編』ははっきり桃色に見える。
 ここでは、カバー裏表紙の中央左寄りにゴシック体横組みで入っている紹介文を見て置こう。上製本のカバーには紹介文はない。帯に紹介文があったのであろうが、私の見た2冊の上製本には帯は保存されていなかった。
 『前編』は萌黄色の■の上に重ねて、

和魂・荒魂の満ち満ちた、古代、大和。*2
この地の統治者・天皇には、/大碓命小碓命という双子の息子がいた。*3
誤って大碓を殺してしまった小碓に、/熊襲討伐の命が下った――。*4
悲劇の英雄を壮大なスケールで描く/古代叙事詩

とある。『後編』は菫色の■に重ねて、

熊襲、相模を討伐し、/蝦夷平定をうち進める小碓命とその一行。*5
だが、時間短縮のため/海路を選んだ彼らに嵐が襲いかかる!!
小碓に平和と安らぎは訪れるのか!!
悲劇の英雄、ヤマトタケルの/鮮烈な生き様を描いた/古代叙事詩

とある。(以下続稿)

*1:同じ日に借りた他の予約の入っていない本は返却期限に延長して来月まで借りられるのである。

*2:ルビ「にぎみたま・あらみたま・やま と」。

*3:ルビ「すめらみこと/おおうすのみこと・お うすのみこと」。

*4:ルビ「おおうす・お うす」。

*5:ルビ「くま そ・ さがみ /え ぞ・お うすのみこと」。