瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

花粉サイクリング(4)

 一昨日からの続き。4月3日(金)の午後のこと。

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 用水跡から離れるので、少し登りもある。
 そして、今度の左折のポイントは誤りなく通過することが出来た。踏切を越え、道沿いの学校の桜が満開で、本当に気持ちが良い。思えば私は、このような爽快さとは久しく縁を切って暮らして来たのだ。
 この時期に自転車で遠出したのは、第1回(?)花粉サイクリング以前には2008年と2010年の4月の頭に、当時実費負担で寄稿させてもらった同人誌の、負担分を振り込みに片道9Km、発行及び会計責任者の口座のある銀行の支店まで往復したことくらいしか思い浮かばない。口座のある支店で振り込むと手数料が無料になるからだったが、3月30日付「図書館派の生活(5)」に無知を晒してしまったのだけれども、先月からこの優遇(?)措置は廃止されていた。
 いや、花粉症になる前、「ぐるっとパス」で多摩動物公園まで自転車で行ったことがある。まだ多摩テックがあった頃である。多摩テックには入ったことがない。多摩動物公園に行ったのも、その1度きりである。上野動物園にも井の頭自然文化園にも1人で行った。気に入った動物を長く観察したいので、他人と一緒に行こうと思わないのである。井の頭自然文化園にはまだ「はな子」がいて、熱帯鳥温室もあった。震災前だった。
 それはともかく。
 B区立C図書館は住宅街の中にあって、私の持って来た大まかな地図ではどこで曲がれば良いかさっぱり分からなかった。そこで取り敢えずC駅に出て、駅出入口にある地図で確認する。約3年振りである。自転車が2台止まっていた。普段ならもっと並んでいたことであろう。やはり返却と予約資料の受け取りしか出来ない。館員は受付に2人か3人いて、先客の応対をしていた。書架にはもちろん立ち入れない。「返却だけです」とマスクの中で告げて、確認が済み次第退去する。自転車に乗ろうとすると50歳くらいの男性が自転車でやって来た。
 某市立図書館は3月半ばまで完全休館にして返却期限を延長していたが、それが3月いっぱいに延びると同時に、4月になったら市民だけ、日時を限って予約を受け付ける、との告知を出したのである。私は市民ではないので予約は出来ないから、4月になったら1度か2度返却に来て、それで当ブログの材料に少なからぬ部分をお世話になっている某市立図書館とも当分縁が切れるな、と思っていたら今月(4月)になって久し振りにHPを覗いたら、休館期間を今月末まで延長して、予約受付を中止した、との告知が出ていた。
 もし予約受取を認めるなら、多くの区立・市立の図書館がやっているように、開館時間中、受付だけ開けて置いて、返却と予約受取だけ対応するようにしないと駄目である。日時を限ったら、その時間に集中する。新たな貸出を求める声も多く、今、貸出している本も返却してもらった方が良い、それなら市民に限って予約を再開しよう、と考えたのだろうが、予想以上に多くの、それこそ通常の取り置きスペースでは収まりきれないくらいの予約が入ったのであろう。そうすると、館員は取り置きスペースを通常の倍以上の時間を掛けて探し回らないといけなくなる。受付で渋滞が発生することは火を見るよりも明らかである。
 書架立ち入りを認めても、風を感じるくらいの換気と利用者に節度ある行動を取らせれば現状、問題はなさそうであるが、いろいろな来館者がいる以上、受付で、返却と予約資料受取に限定してサービスを提供するやり方が、最善なのであろう。
 さて、北へ向かい、急坂を下って谷底に位置するK駅(A区立K図書館の最寄駅はC駅ではなくK駅)に出て、そこから谷筋を辿ってA区立K図書館に行く。ここは何ヶ月か前に来たところである。やはり入口から受付までしか入れない。C図書館にはなかったアルコール消毒液があるので、入ったときと出たときに使用する。ついでに、脇の公園で手の消毒が持続しているうちにカロリーメイトを食べてしまおうかと思ったが、止めて先を急ぐことにする。
 何となく懐かしい、古い住宅地を走る。地形が分からないので、かなりの登り下りがあるが、それも心地よい。スーパーマーケットには客が絶えず、そして桜は満開である。
 また台地の上の平坦な道を進む。そしてうっかり、迂回し損ねて駅前のアーケード街に入ってしまった。週末に予想される外出自粛要請を見越してか、かなりの人通りがある。
 かつて何度か入ったホールも休館している。そして、また少々予定していた道を外れて、都立高校の脇を下って、30日振りにA区立H図書館に至る。ここもアルコール消毒液があるので出入りに手に受ける。やはり先客があり、その後、幼児を連れた母親が入って来た。50代のコートを着たオバサンが入って来て、自販機コーナーに入った。普段なら据え付けの椅子で飲食が出来るのだが、今はテープを張って座れなくしてある。14時半。
 S川に出る。目黒川なんて昔は人が殆どいなくて、中目黒なんて本当に寂れていたのである。それが入場規制が敷かれるほど花見客で溢れるようになるとは全く予測出来なかった。2週間前もそうだったらしい。S川の方が昔からの名所で、しばらく川沿いの、桜が満開の道を進む。家族連れで花見に来ているらしい人たちもいるが、なるべく近寄らないように擦れ違う。しばらく行くとT大学医学部附属病院に差し掛かる。静かである。入口に救急車が3台止まっている。
 かつての職場が近い。どんな様子か見に行こうかとも思ったが、余計なことはしないで、川に沿って遡る。釣り堀では老人が何人か、間隔を空けて釣りをしていた。白人の若い女性と、2人ばかり擦れ違ったが、やはりマスクをしていない。
 ちょっと寂れた商店街に入る。川から離れるところで、居酒屋の脇で汚いおじさん2人に、呑み仲間らしきやさぐれた感じの30代女性が「マスクして来ないなんてありえない」と、子供の同級生とその母親に文句を言っているらしい。
 また川に出る。この辺りは初めて来る上に地図が頭に入っていないので少々迷走し、とにかく幹線道路を、第1回(?)花粉サイクリングのルートを進むことにする。
 しばらく進んでKの地名を目にするようになったので地図を見るに、この幹線道路から少し住宅街に入ると、2分と掛からずにA区立K図書館に行けることが分かった。すなわち、A区立H図書館に寄らなければこの辺りから、30分早く引き返せたのである。しかし、それではS川の桜も見ずにしまったので、まぁ、良しとして置こう。(以下続稿)