瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

北杜夫『南太平洋ひるね旅』(09)

新潮文庫2118(3)カバー②
 その後、次の2つの刷を借りて、今、私が通っている市区の図書館に所蔵されているもの5点を揃えることが出来ました。
・昭和四十八年 四 月三十日 発  行・昭和四十八年十一月 十 日 四  刷(235頁)¥ 160
・昭和四十八年 四 月 三 十 日 発  行・平成 三 年 九 月 二 十 日 二十四刷(235頁)定価350円
 四刷を所蔵する図書館の OPAC は「出版年月 1973.04/ページ数 235p/大きさ 15」となっていて初刷の年月が入っております。二十四刷を所蔵する図書館の方は「出版年月 1978/税抜価格 ¥240/ページ数 235p/大きさ 16cm」とあって、11月11日付(01)に挙げた二十一刷を所蔵する図書館と同じデータを使い回しているようです。
 まづ、11月13日付(02)と同様に、四刷と二十四刷のカバーについてメモして置きましょう。
 四刷のカバー背表紙は、最下部の白抜きゴシック体横並びの数字が「160」となっている他は初刷に同じ。カバー表紙、カバー表紙折返しは刷りが薄くなっているものの一致、二十一刷や二十二刷よりは若干濃い印象。カバー裏表紙も同様で、初刷との異同は右下隅の定価が「¥ 160」となっていること。
 半年で四刷と云うのも当時の北氏の人気振りを窺わせますが、4月末に140円で刊行された本が半年後の増刷では15%程値上げされて160円になっていると云うのは、如何にもオイルショック後の狂乱物価と云った按配です。
 私の見た四刷は、カバー裏表紙折返しが切除されていて、四刷より前に刊行されていた『星のない街路』が追加されていたかどうかが分かりません。しかし、増刷の頻度の高さからして、四刷とほぼ同時に誂えられたカバーではないかと思うのです。
 二十四刷のカバーは二十二刷と比較して見ましょう。カバー表紙は私の見た本はかなり褪色したらしく檸檬色地になっていますが一致、カバー表紙折返しも一致、カバー背表紙の異同は最下部の白くて太い下線のある数字が「360」となっていること。
 カバー裏表紙は大きく異なっており、二十二刷はカバー表紙と同じ地色であったのが白地になっている。右上の説明文は同じだが、左上にバーコードが2つ「9784101131108/1910195003603」、2本あった横線のうち、上の1本はなくなり真ん中の1本(9.1cm)だけになっています。その上、左寄せで「定価360円(本体350円)」下に左寄せでやや余裕をもって2行「ISBN4-10-113110-4/C0195 P360E」とあり、右寄せで葡萄マーク。
 カバー裏表紙折返し、「~~新潮文庫~~/北 杜夫の作品」は初刷では左寄り、二十一刷・二十二刷は文字を小さくしたため右側の余白がさらに広くなっていたが、二十四刷はこれを最上部中央に移して、左右2列に波線(7.9cm)で仕切って、左側22点23冊、『夜と霧の隅で』から『ぼくのおじさん』まで。右側は17点19冊に3行半の余白があります。最後の5点、35~39点め「マンボウ人間博物館/優しい女房は殺人鬼/大日本帝国スーパーマンマンボウ v s ブッシュマン」が追加されております。均等割付でやや縦長のゴシック体、目立つ異同は「木   (こだま)   精」の読みが小さくなっていないこと。最下部左に「カバー印刷 錦明印刷」とあるのは同じ。(以下続稿)