瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

北杜夫『南太平洋ひるね旅』(2)

新潮文庫2118(2)
 11月11日付(1)の続きで、カバーについて。
 カバー表紙、同じだが獣皮様の模様が薄く入った黄色地が、私の見た初刷は黄土色に近く、二十一刷は明るい黄色、二十二刷は淡い檸檬色に見える。二十二刷は大分褪色しているようだ。文字は初刷が大きくはっきりしているように見える。
 カバー背表紙、紺色地に明朝体白抜きで上部に標題、中央やや下に著者名が入っているのは同じ。地色は二十一刷が最も褪色しているようである。下部、初刷は細いゴシック体の白抜きで「新潮文庫〔草〕 一三一J 140」〔草〕は明朝体で横並び、定価も横並び。二十一刷と二十二刷は、角の丸い長方形(2.0×0.5cm)に白く抜いて[き 4 10]と入れているのは同じ。その下は二十一刷・二十二刷とも白抜きで、二十一刷は長方形の枠(0.4×0.7cm)に横長の細いゴシック体横組み「新潮/文庫」すぐ下に横並びで「131/-10-」1字分空けて最下部「320」、二十二刷は「新潮文庫 320」横並びの算用数字には白い下線。
 カバー裏表紙は上部に横線(9.4cm)が2本、その間(6.6cm)の右側に明朝体横組み11行の紹介文、同文だがやはり初刷が濃い。初刷、2本め横線の下、中央に葡萄マーク、右下隅に「¥ 140」とある。二十一刷と二十二刷は文字の薄さもレイアウト同じで、異同は中央やや上の横線の下、ISBNコードとCコードの次が二十一刷「¥320E 定価320円」だったのが二十二刷「P320E 定価320円」定価のすぐ下に「(本体311円)」と添える。その下、中央に葡萄マークがあるがやはり初刷より薄い。
 カバー折返しは表紙の地色がそれぞれ 1.0cm くらいずつ入っているが、他は白地。黒で文字が刷られるがやはり初刷が濃い。
 カバー表紙折返しは白地の右端下部に明朝体縦組みで「カバー 串 田 孫 一」とあって、一致。
 カバー裏表紙折返しの文字は全て横組み、最下部左寄り、明朝体で小さく入っている「カバー印刷 錦明印刷」は一致しているように見える。
 上部はゴシック体で、初刷「~~新潮文庫~~/北 杜夫の作品」は半行分空けて9点10冊を列挙、「夜と霧の隅で/幽霊/どくとるマンボウ航海記/どくとるマンボウ昆虫記/船乗りクプクプの冒険/楡家の人びと(上)/   〃   (下)/遙かな国 遠い国/高みの見物/南太平洋ひるね旅」均等割付だが詰めた。2行めよりも大きくゆったりと組まれていて、全部が上半分に収まっている。
 二十一刷「~~新潮文庫~~/北  杜夫の作品」は1行分空けて29点30冊。1~2行めよりも小さい文字で「夜と霧の隅で/幽霊/どくとるマンボウ航海記/どくとるマンボウ昆虫記/船乗りクプクプの冒険/楡家の人びと(上)/   〃   (下)/遙かな国遠い国/高みの見物/南太平洋ひるね旅/星のない街路/奇病連盟/あくびノオト/天井裏の子供たち/へそのない本/マンボウおもちゃ箱/月と10セント/黄いろい船/マンボウぼうえんきょう/木(こだま)精/マンボウ周遊券/白きたおやかな峰/ぼくのおじさん/さびしい王様/酔いどれ船/さびしい乞食/さびしい姫君/悪魔のくる家/マンボウ博士と怪人マブゼ/まっくらけのけ」カバー印刷まで4行分余裕がある。
 二十二刷は「~~新潮文庫~~/北杜夫の作品」も縮小して、1行分空けて34点37冊。「夜と霧の隅で/幽霊/どくとるマンボウ航海記/どくとるマンボウ昆虫記/船乗りクプクプの冒険/楡家の人びと(上・下)/遙かな国遠い国/高みの見物/南太平洋ひるね旅/星のない街路/奇病連盟/あくびノオト/天井裏の子供たち/へそのない本/マンボウおもちゃ箱/月と10セント/黄いろい船/マンボウぼうえんきょう/木(こだま)精/マンボウ周遊券/白きたおやかな峰/ぼくのおじさん/さびしい王様/酔いどれ船/さびしい乞食/さびしい姫君/悪魔のくる家/マンボウ博士と怪人マブゼ/まっくらけのけ/マンボウ交友録/怪盗ジバコ/マンボウ百一夜/輝ける碧き空の下で/   第一部(上・下)/輝ける碧き空の下で/   第二部(上・下)」が目一杯。
 この、私の見た二十二刷のカバーは10月26日付「赤いマント(288)」に注意して置いたように消費税導入後のもので、最後にある新潮文庫版『輝ける碧き空の下で』は「第一部」が昭和63年(1988)12月、「第二部」が平成元年(1989)1月の発行ですから、4月の消費税導入に合わせてカバーを作り直したものでしょう。(以下続稿)