・すずさわ叢書14『わたしの北海道―アイヌ・開拓史』1977年7月25日発行・定価1,200円・すずさわ書店・318頁・四六判並製本
見返しは表紙・裏表紙とも黄緑色の要旨に緑で北海道の白地図(緑?地図)が見開きに刷られている。1頁(頁付なし)扉。
本書の由来は3~4頁「序にかえて」に、北海道の歴史を語る本が多い中で、3頁5~8行め、
朝日新聞北海道支社では、五十一年一月から「わたしの北海道」という長期連載企画をはじめま/したが(現在も連載中)、数ある北海道の歴史もののなかに、あえて さらに一つを付け加えよう と/したのは、やはり北海道の自然の美しさのほかに、その開拓の歴史の得意さが書き残すべき価値を/感じさせたのです。
と、昭和51年(1976)11月から始まった連載企画であることが分かる。
意図と標題については、3頁9行め~4頁1行め、
北海道に生き、その歴史を自分の手で作り上げてきた証人たち、その人たちのナマの言葉を中心/にして北海道の自然と道民の苦闘の生活を語りながら、同時にその人の生きざまを通じて時代に生/きるとは何か、その人にとって北海道とは何であったかを考えたかったからです。聞き書きの形式/をとり、「わたしの」と名付けたのもその意味です。
とある。そして最後、4頁7~14行め、
この本は、以上の連載のなかから、とくにアイヌ関係と開拓に関連したものを中心に編集されま/した。北海道の原点は、まさしくそこにあるわけで、こうした形で出版されるのも意義深いことです。
筆者の上田満男氏は、北海道室蘭市の生まれで、朝日新聞記者として道内各地に勤務し、現在、/編集委員(北海道駐在)として活躍中です。道内の歴史、事情にもくわしく、最適の人を得たと考/えています。
昭和五十二年七月
朝日新聞北海道支社編集総務
上 田 賢
5頁(頁付なし)は「目次」の扉で、6~8頁(頁付なし)に、最初の「序にかえて」と最後の「あとがき」のみ、間を「…」で繋いで、下部に前者は「上 田 賢」、後者(8頁9行め)は「 309」と頁を示す。6頁2行め「第一部 アイヌのゆくえ」と7頁8行め「第二部 開拓の歴史」には頁が入っていない。第一部には15人、第二部には10人、合計25人が収録されている。
見本として目次の3人めを見て置こう。
米村喜男衛 一個の小石――ババーショップ――消えた民族――博物館の建設 35
2字下げ、「…」の代わりに見出し4つで「あとがき」と同じ高さの頁に繋いでいる。
9頁(頁付なし)「第一部 アイヌのゆくえ」の扉。
・11頁(頁付なし)1人めの扉、左上にやや大きく「萱 野 茂」、左下に顔写真、その右に12行の紹介文、冒頭はゴシック体で「かやの・しげる 日高支庁/平取町生まれ。‥‥」と名前の読みをゴシック体で、次いで出身地を示す。最後は「‥‥、51歳。」と、恐らく取材時の年齢。節の見出しは2行取り3字下げのゴシック体。
12頁1行め「二風谷■」
14頁7行め「民具収集■」
16頁14行め「昔 話■」
19頁12行め「アイヌ精神■」22頁1行めまで。
1行空けて5字下げでやや小さく16行めまで<注1>から<注4>。
・2人め、23頁「西村 武重」85歳。
24頁1行め「ハギの原野■」
26頁7行め「幸太郎■」
28頁14行め「吹 雪■」
31頁3行め「ヒグマ■」33頁13行めまで。
<注4>まで34頁8行めまで。
・3人め、35頁「米村喜男衛」84歳。
36頁1行め「一個の小石■」
38頁6行め「ババーショップ■」
40頁12行め「消えた民族■」
43頁1行め「博物館の建設■」45頁15行めまで。
<注8>まで47頁13行めまで。
・4人め、48頁「大場 利夫」64歳。
49頁1行め「謎の標本■」
51頁1行め「頭がい骨■」
53頁7行め「オホーツク文化■」
55頁10行め「研究施設■」58頁3行めまで。
<注6>まで59頁11行めまで。
・5人め、60頁「吉田 武三」74歳。
61頁1行め「大旅行家■」
63頁15行め「第一歩■」
66頁4行め「百印百詩■」
68頁8行め「名付け親■」70頁11行めまで。
<注4>まで71頁12行めまで。
・6人め、72頁「高倉新一郎」74歳。
73頁1行め「アイヌ政策史■」
75頁6行め「使命感■」
78頁3行め「北海道史■」
80頁2行め「道政裏面史■」81頁まで。
<注6>まで83頁12行めまで。
・7人め、84頁「喜多 章明」80歳。
85頁1行め「地主貧乏■」
87頁1行め「旭明社■」
89頁12行め「保護法■」
91頁13行め「義経譚■」93頁14行めまで。
<注5>まで94頁17行めまで。
・8人め、95頁「山田 秀三」78歳。
96頁1行め「エゾッコ■」
98頁6行め「クマの出る峠道■」
100頁5行め「列島の仲間■」
102頁3行め「北海道バカ■*1」104頁11行めまで。
<注10>まで106頁20行めまで。
・9人め、107頁「渡 辺 茂」70歳。
108頁1行め「伝 説■」
110頁6行め「方言集■」
112頁11行め「地方史■」
115頁8行め「館 主■」117頁12行めまで。
<注4>まで118頁12行めまで。
・10人め、119頁「更科 源蔵」73歳。
120頁1行め「囚人開拓■」
122頁8行め「コタン生物記■」
124頁5行め「地名解■」
126頁1行め「消えた記録■」127頁13行めまで。
<注8>まで129頁20行めまで。
・11人め、130頁「児玉 マリ」47歳。
131頁1行め「服飾研究■」
133頁1行め「アツシ織り■」
135頁4行め「オヒョウの木■」
137頁5行め「骨とう品■」139頁13行めまで。
<注7>まで141頁9行めまで。
・12人め、142頁「越崎 宗一」75歳。(一九七六年死去)
143頁1行め「小樽往昔■」
145頁1行め「豆選女工■」
147頁7行め「運河を守る■」
149頁15行め「アイヌ絵■」152頁1行めまで。
<注6>まで153頁10行めまで。
・13人め、154頁「犬飼 哲夫」79歳。
155頁1行め「百年の縮図■」
157頁8行め「タロー■」
159頁13行め「力ラクール■」
162頁16行め「森林資源■」165頁1行めまで。
<注8>まで166頁20行めまで。
・14人め、167頁「梅木 通徳」74歳。
168頁1行め「鉄道百年史■」
170頁1行め「除 雪■」
172頁15行め「資料収集■」
174頁3行め「ハイタク事始め■」177頁3行めまで。
<注9>まで178頁20行めまで。
・15人め、179頁「小池 喜孝」60歳。
180頁1行め「鉱毒移民■」
182頁1行め「鎖 塚■」
184頁7行め「タコ労働■」
187頁1行め「民衆史講座■」188頁7行めまで。
<注8>まで190頁20行めまで。(以下続稿)
*1:字下げなし。